今後、収益用不動産の価格は上がる?下がる?
最近、主に東京都およびその近郊にある収益用不動産の利回りが極限まで低下しています。表面利回り3~4%になるように値付けして販売されている物件が多く、これでは事業用ローンの利用が困難です。購入価格の半額を手持ち資金で賄い、残額を事業用ローンで借り入れて購入するしかありません。
これまではコロナ禍であったことから収益用不動産がかなりよく売れていました。しかし、不動産賃貸事業を新たに開始する方が多く、買い替え需要が少ない状況に陥っていました。
コロナ禍になる前は、東京都およびその近郊でも表面利回り7%超の物件がかなりありました。現在、他の収益用不動産に買い替えると途端に利回りが低下します。利回り7%の物件を売却し、売却価格と同額の利回り3.5%の物件に買い替えると、賃料収入は半分になります。これでは買い替え意欲が全く湧きません。
しかし、外国人から見た場合、最近の円安により日本国内にある不動産のバーゲンセールが始まったように思えたようです。このため、外国人による収益用不動産の購入が大幅に増えました。
中国では不動産バブルが崩壊寸前であると言える状況です。イスラエルでは新たな戦争が勃発し、欧米に飛び火する恐れがあります。とすれば円安を奇貨とした中国および欧米による日本国内の収益用不動産に対する投資は終焉が近いと思えるかもしれません。
後述しますが、イスラエルの戦争が拡大した場合、反対の結果になると考えています。
最近問題になっている円安は、ウクライナ-ロシア間の戦争が始まった途端に始まりました。有事のドル買いが進んだ効果として円安になったものと考えられます。
現在、アメリカは金融を引き締め、長期金利を少しずつ上げているのに対し、日本は金融緩和を継続しています。これだけでも円安になるのに、イスラエルで大きな戦争が勃発しました。
アメリカ在住のユダヤ人は大半がイスラエルを支持しており、政財界に対する発言力がとても強いです。遠からずアメリカは何らかの形で参戦し、その際はイスラエル側につくことが確実です。
するとドル高が一層進み、円安もさらに進むと思われます。1ドル160円、場合により180円といった展開になるかもしれません。外国人から見た場合、過去に例がないレベルで日本の不動産が大幅に値下がりしたと感じるでしょう。
このような展開になると、特に欧米の投資家やファウンドが日本の収益用不動産を以前に増して買い付けることが想定されます。このため、日本国内の収益用不動産は更に値上がりすることが想定されます。
以前は有事が原因でドル高になれば円も高くなることが通常でした。しかし、現在の日本は貿易赤字を毎年計上しています。それに戦争が拡大すれば日本では原油の輸入が止まります。
原子力発電所をほとんど稼働させていない日本では発電ができなくなり、国内の生産設備が稼働しなくなる恐れがあります。貨物船やタンカーが攻撃された場合、輸出入が完全にストップする恐れがあり、食料危機が生じる恐れがあります。そのような国の通貨は安く評価されます。
これでは有事を原因とするドル高が生じても猛烈な円安になる恐れがあります。来年以降、収益用不動産価格の価格は世界情勢により決まると考えています。イスラエルの戦争が欧米諸国に飛び火するようであれば、多くの欧米の投資家が国内の収益用不動産を購入すると思われます。
「イスラエルの戦争が拡大する場合、収益用不動産の価格は更に値上がりすると思われる」というのが筆者の結論です。
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