ゴールデンウィーク期間中の物件探しはお勧めしません(東京都区内)

※本日の投稿は東京都区内における内容です。他の地域では異なることがあります。

ゴールデンウィークの約2週間前になりました。東京や大阪などでは新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらないことから旅行を控える方が多いと思います。「旅行を控えるのだから、ゴールデンウィーク中に賃貸物件または売買物件を探そう」とお考えの方がいらっしゃると思います。

後述しますが、ゴールデンウィーク期間中は不動産会社の多くが閉店します。「不動産業はサービス業なのに、何故ゴールデンウィーク期間中に営業しないのか」と思われるかもしれません。しかし、結論から申し上げると、特に東京都区内では、売買および賃貸のいずれもこの期間における物件探しはお勧めしません。

本日は、その理由について書きます。

1.不動産会社の事情として、ゴールデンウィーク期間中はお客様が来店しない
最近、平日および土曜日はそれなりの来店客や問合せ等がありますが、日曜日はとても少ないです。住まい探しを遊びと仕事の中間的な位置づけにされている方が多いように思います。家探しは土曜日に行い、日曜日は遊びやショッピングを楽しむというライフスタイルが定着しつつある感がします。

ゴールデンウィーク期間中は、さらに少ないのが実情です。帰省や遊びに行く方が多いことが原因であると思います。開店しても来店されるお客様が非常に少ないので、賃貸管理部門を除き、一斉休業した方が効率的であるという経営判断をすることになります。

現在はコロナ禍であり、来店者数はコロナ禍になる前よりも大幅に減少しています。このことも一斉休業が効率的であるという判断に傾きます。

2.春の繁忙期で従業員が疲弊している
大半の不動産会社に当てはまるのですが、経営者も従業員も春の繁忙期で疲れ果てています。繁忙期は休日出勤や深夜に及ぶ残業が当たり前です。他社の営業担当から「この期間は2か月以上、休みを1日も取れない」と嘆かれたことがあります。

このようなブラックとも言える労働環境に耐えてきた営業担当に「ゴールデンウィーク期間も出社しろ」と命令するのはあまりも酷です。大半の従業員には家族がいますので、退職する原因になりかねません。

労働基準法は、従業員の労働日数および労働時間について定めています。従業員をゴールデンウィークに出社させた場合、原則としてした出社した日数分の代休を、平日に与えることが必要です。ところが、これはとても困難です。

賃貸管理の担当者を除き、「春先の繁忙期にはしっかり働いてもらい、ゴールデンウィーク期間はしっかり休んでもらう」という社内ルールを定めている不動産会社が多いです。

3.内見できる物件が少ない
(コロナ禍なのであまりありませんが)海外旅行、帰省や遊びに出かけているオーナーや売主が多いです。「ゴールデンウィーク期間中は連絡しないで欲しい。トラブルがあると嫌なので、内見もしないで欲しい。」と頼まれることがよくあります。このため、ゴールデンウィーク期間に内見できる物件の数は限られます。

4.オーナーや売主をつかまえられない
賃貸物件の場合、内見を実施して入居申込書を受け取った場合でもオーナーに連絡を取れないことから入居審査に日数を要することになります。オーナーの承諾がなかなか得られないと、お客様から「入居申込を撤回したい」と申し出られることがあります。

売買物件の場合も同様で、売主とのやりとりをしにくいことが問題になります。居住中の物件である場合、売主の都合に合わせて内見を実施する必要がありますが、売主の都合を確認できないので、物件を紹介しても内見の日時を決めることができません。また、価格交渉や引き渡しの時期について売主に確認したくても確認できないことがあります。

賃貸、売買の別を問わず、無用なトラブルを避ける意味で一斉休業した方が良いことになります。

5.法務局や役所などが閉庁している
物件調査をしたいことから登記簿等をを確認したくても、閉庁していることから確認出来ません。この期間はオンラインによる取り寄せも出来ません。

お客様から権利関係等に関する問合せがあった際に、調査する手段がありません。質問されてもゴールデンウィーク終了後に回答することになります。これでは、お客様に御迷惑をおかけすることになります。

6.金融機関が休業している
住宅ローンや事業用ローン(収益用不動産の場合)に関する相談ができません。

また、取引金額が多額である場合、金融機関を利用することが前提になりますが、金融機関が休業していることから契約や決済を行えないことになります。