材木価格の異常高騰により、新築木造住宅の価格上昇が避けられない
木材の輸入量が激減
新型コロナウイルスや緊急事態宣言に関するニュースが大きく取り上げられていることからあまり報道されていないのですが、材木の価格が異常に高騰しています。アメリカおよび中国で材木に対する需要が急増していることから、日本が輸入できる材木の量が激減しています。
アメリカではコロナ禍によるリモートワークの推進、および金融緩和により木造住宅の建設ラッシュが始まりました。
中国ではコロナ禍を脱出しつつある状況であることから、住宅の建築が大規模に始まりました。
日本におけるハウスビルダー(建築業者)の多くは、コロナ禍であることから日本国内における住宅の着工件数が減り、このために材木の需要が激減すると予想していました。さらにアメリカや中国における材木需要の急増を想定していなかったことから生産地に対する増産の要望が遅れました。生産地から「今からでは受注できない」との対応をされています。
材木が品薄であることから、価格が異様に高騰
国内のハウスビルダーが建築する新築戸建住宅では、主にカナダ産およびアメリカ産の木材を大量に使用しています。現在、カナダ産の木材は主にアメリカ国内における住宅建築用に回されており、日本に輸出される量は激減しています。
また、国内ではリモートによる在宅勤務が増えており、郊外の戸建住宅におけるリフォームおよびリノベーションへの木材需要が増えています。このことも価格を高騰させる一因になっています。
現在、世界各国が材木を奪い合う事態に突入し、日本の輸入量は既に激減しています。このため、輸入した木材をストックしている国内の材木業者および製材所はほとんどなく、ハウスビルダーによる注文を受け付けられない状況のようです。
国内で生産される木材の利用が考えられますが、輸入材と比較すると価格が大幅に上がりますし、国内の木材だけでは全ての需要を満たすことが困難です。このため、材木の価格は今後も値上がりし続けることが予想されます。
今後は木造の新築戸建住宅およびアパートの売り渡し価格が急激かつ大幅に上昇することが避けられません。この価格上昇はコロナ禍の影響であると言えます。
新築アパートでは工期の延長に注意
既に完成している建物を購入する場合は問題にならないのですが、材木の入手が困難なので工期の延長に注意する必要があります。
土地を購入してから建物を新築する場合には建築後のキャッシュフローが問題になります。賃貸アパートを新築する場合は要注意です。工期が当初の予定より長くなると、初年度における収支が悪化します。事業用ローンによる融資により建築している場合は、返済計画に影響が生じる恐れがあります。
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