賃貸マンションの内見中に、強制性交致傷事件が発生

2023年11月20日

令和3年5月7日の朝日新聞記事から引用します。
※掲載社の都合によりリンク先の元記事が削除されることがあります。あらかじめ御了承願います。

令和5年11月20日追記:引用記事に実名が記載されていたので記載を修正し、リンクを外しました。

マンション内見中に強制性交等致傷の疑い 35歳男逮捕

 賃貸マンションを案内中の不動産会社員の女性を押し倒して性交しようとしたなどとして、千葉県警東金署は6日、千葉市中央区都町1丁目、自称無職A容疑者(35)を強制性交等致傷容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。

 東金署によると、A容疑者は4月15日午後1時35分ごろ、千葉県東金市内の賃貸マンションの一室で、県内の60代の不動産会社員女性に包丁のようなものを突きつけて衣服を切り裂き、押し倒すなどして性交しようとし、軽傷を負わせた疑いがある。A容疑者は同日、「マンションを見せてほしい」と同市内の不動産会社を訪れていたという。

朝日新聞

ご承知の通り、不動産会社の内見担当者が内見客を装った強盗に襲われる事件が度々発生しています。今回発生した事件は強盗事件ではなく、強制性交致傷事件です。

内見の際に見知らぬ若い男女が一緒の部屋にいる状況が作出されてしまうと危険です。このため、内見の担当者を若い女性従業員にするのではなく、男性または年配の女性にする不動産会社が増えています。

しかし、今回の事件における被害者は60代の女性です。加害者は35歳の男性です。60代の女性担当者が強制性交事件の被害者になるとは、想像できる枠をはるかに超えています。

被害者は軽傷とのことですが、これはあくまでも「身体が軽傷」であるだけであり、精神面に重傷を負わせたことは間違いありません。刃物を突きつけて衣服を切り裂いたとのことであり、被害者が受けた恐怖感は計り知れません。「レイプは魂の殺人」という言葉があります。

今後は、事件を未然に防ぐために不動産会社における内見の担当者を全て男性にするべきかが問題になります。

しかし、不動産会社における内見の担当から女性を外すことが不動産業界で一般化されると、不動産業界に務める女性従業員が経験を積み、活躍する場を奪うことになります。それに内見の担当者が男性の場合でも、強盗や強制性交の被害者になることが考えられます。

事件を防止する観点から考えると、内見を希望されるお客様が一名の場合でも複数の内見担当者が同行し、内見を行うことが適切かもしれません。

強制性交致傷罪(刑法182条第2項)は、無期又は6年以上の懲役と定めています。おそらく、加害者は精神鑑定を受けることになると思いますが、刑事責任を問えると判断された場合は、初犯でも間違いなく実刑に処せられます。

犯人が正常な精神状態であれば「何と割の合わない行為を行ったのか」と激しく後悔することになると思いますが、自身が行った行為の悪質さと罪の大きさを噛みしめて欲しいです。