不動産に関する諸問題に対するセカンドオピニオンが欲しい場合

 不動産の売買、賃貸にかかわらず、不動産会社と交渉を進めるうちに疑問が生じることがあると思います。特に不動産売買では契約当事者間で授受される金額が大きいことから、金銭トラブルが生じやすいと言えます。

 不動産業界に関わっていない一般の方が不動産の買主である場合において、不動産会社または売主が請求する内容が妥当なのかを疑問に思うことがあった場合を考えます。

 私が相談を受けた事例になりますが、「住宅を購入したくて不動産会社に相談し、契約直前の状況であるが、不動産会社と売主の間に無免許プローカーが介在していた。不動産会社からは仲介手数料を請求されているが、その他に無免許ブローカーから多額の物件紹介料を請求されている。」とか、「手付金の金額が異様に高い(物件価格の3割)が大丈夫か。」、「住宅ローンを多く引き出すために売買契約書の「かきあげ」を提案されたが大丈夫か。」等の事例があります。(「かきあげ」についてはこちらを参照願います。)

 「騙されているのかもしれないので、状況により不動産の取引自体を断った方が良いかもしれない。しかし、相手の不動産会社に尋ねると否定されるに決まっている。」という場合に、どのように対応するべきか迷われると思います。

 そして「他の不動産会社に相談すると厄介な事になるといけない。」とお考えになり、このまま取引を進めた場合には問題が起きる懸念が相当にあるのに契約および決済をしてしまい、後から後悔される方がいらっしゃいます。

 このような場合は、各地方自治体(市区町村)および不動産関連団体(宅地建物取引業協会、全日本不動産協会)が定期的に開催している無料の不動産相談会(相談時間に制限あり)を利用することをお勧めします。

 多くの場合、地方自治体(市区町村)のホームページに開催場所、開催日時、予約の要否等が掲載されています。

 相談には、不動産関連団体に所属する不動産会社に所属する宅地建物取引士、それもベテランが相談に対応しますし、相談料は無料です。もちろん、相談内容は個人情報として秘密扱いになり、外部に公開されることはありません。

 多くの相談会において、相談を受けた宅地建物取引士は自分の名刺を渡すことを禁止していますので、相談を受ける宅地建物取引士は利害関係を一切考慮することなく相談に対応します。

 あくまでも法律、条例、地域の慣習に従い、合理的であるか否かを判断します。

 取引自体を解消した方が良い場合は、その旨を冷静に告げて貰えます。物件が気に入っているので購入したい場合はどこに気を付けるべきか、受け入れるべき、または断るべき内容についても教えて貰える事が多いです。

 解決方法として裁判を提起するしかない場合はその旨と、裁判の概要についての説明を受けられると思います。

 宅地建物取引士は弁護士ではありません。しかし、相談会を担当する宅地建物取引士の大半は、不動産に関する法律を熟知しています。民事訴訟の提起等、裁判手続きの経験がある方が多くいます。

 相談できる不動産のプロが身近にいない場合は、無料相談会の利用をお勧めします。