マンション、アパートにおける犯罪の防止に役立つこと(その2)

※昨日投稿した内容の続きです。

4.防犯カメラの設置、および点検
 既に多くのマンション、アパートにおいて設置されています。しかし、メンテナンスがしっかり行われていなかったことから映像が記録されていなかった等のトラブルがあります。

 犯罪行為が発生した際に、映像が記録されていないのでは意味がありません。台風、地震などにより防犯カメラがフォーカスする位置がずれてしまい、本来であれば記録されているはずの映像が記録されないトラブルは頻発しています。

 防犯カメラについては定期的に映像をチェックし、故障、またはカメラの向きが正しくない場合は直ちに対応することをお勧めします。

5.防犯カメラを設置した際に、設置済であることを知らせるステッカーを貼る
 このステッカーがあることは、犯罪の抑止に大きく貢献します。共用部の入り口、および非常口に貼るのが効果的です。

 防犯カメラを設置しているのにステッカーを貼らないと、防犯効果を十分に発揮できません。

6.屋上を出入り禁止にする
 マンションの場合、犯人が屋上から最上階のバルコニーにロープを下ろし、ロープを利用して下降し、バルコニーのガラス扉を破り、部屋に侵入する事件が発生しています。

 マンションの場合、屋上に出入りできない構造にすることが防犯に役立ちます。洗濯物を干す場所等として屋上を入居者に開放する必要がある場合等は、高い柵を設置する等の対策が必要です。 

★屋上を立ち入り禁止にすることは自殺防止につながります。
 屋上への立ち入りが可能な構造にすると、屋上からの飛び降り自殺が発生する恐れがあります。自殺者は入居者とは限りません。建物に無関係の第三者が屋上に侵入し、身投げする事案は数多くあります。

 今般、国土交通省が公開した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、このような事案が発生し、身投げした者が建物の敷地内で死亡した場合には、敷地および建物全体が事故物件と評価されます。賃貸借契約または売買契約を締結する際には、心理的瑕疵がある物件であるとして告知する必要が生じます。自殺者が建物の入居者であるか否かを問わず、この扱いを受けます。

 ただし、賃貸マンションでは告知する必要がある期間を概ね3年と定めており、それ以降は告知不要とされています。売買物件(分譲マンション)の場合は期限を限らず(半永久的に)事故物件と評価されます。

 従来の慣習では、建物に無関係な第三者が屋上に侵入して自殺しても事故物件にはなりませんでしたが、今回策定されたガイドラインによると、敷地内で死亡した場合には事故物件として扱われます。なお、搬送された病院で死亡した場合の取り扱いは、このガイドラインでは定められていません。