いわゆる「夜逃げ」の方による賃貸申し込みが増える時期です
12月の中旬になると家賃の滞納を続けたことから退去を申し渡された、またはカードローンの返済から逃れるために賃貸物件の探しに来られる方が増えます。いわゆる「夜逃げ」の目的で転居先を探しているわけです。
このような理由で来店する方は、12月中旬~翌年の1月中旬に集中します。
うっかり入居させると、ほとんどの方が家賃を滞納します。そのようなことになると、不動産会社の信用に関わります。オーナー様から管理を受託している場合、オーナー様から管理契約の解約を申し渡されることにつながります。
私の会社では、「夜逃げ」目的の方が年2~5人来店されます。「夜逃げ」とわからないようにするために転居の理由を色々述べるのですが、「家賃を滞納したから追い出された」と回答する方は誰もいません。
どのような事情があろうと、新たな入居先で家賃を滞納されたらたまったものではありません。
私が実際に遭遇した事案
「夫の暴力に耐えられないので自分一人で別居することにしました。賃貸物件を紹介してください。」ということで来店された方がいらっしゃいます。会社員であり、それなりの収入もあるとのことなので、希望する家賃に見合う1DKのお部屋を紹介しました。ところが「それでは狭い」と言います。
「最低でも2LDK、できれば3LDKを希望します。」と言います。離婚の成立後であれば家財を全て持ち出すことが考えられますが、別居の際に全ての家財を持ち出すことは考えられません。それに希望する家賃では2LDKや3LDKの物件を借りることはできません。このため、広い部屋が欲しい理由を尋ねましたが、明確な回答がありません。
広い部屋が欲しい理由を話さないことから「夫の暴力に耐えられない」というのは嘘である可能性が高いと判断しました。ファミリー向けの賃貸マンションに家族と入居していたところ、何らかの理由で家賃を滞納し、滞納が続いたことから年末までに退去するように通告されたのだと思います。
このような場合、入居先が決まった時点で家族全員を連れて移り住み、家賃を滞納して居座るというのが典型的なパターンです。
この方には「希望する家賃に見合う2LDKまたは3LDKの物件は存在しませんので、御紹介できる物件はありません。」と告げ、お帰りいただきました。
不動産会社の力量が試される
12月の中旬~1月中旬は、不動産会社の力量が試されます。入居させたら家賃を滞納することがほぼ確実な方を入居させることはできません。
前述したとおり、転居の理由をお尋ねした際に「家賃を滞納したから追い出された」と回答する方は誰もいません。このため、転居したい理由、現在の仕事、収入、家族構成などについてお尋ねし、少しでもおかしい点がある場合は詳細をお訊きします。
いわゆる「夜逃げ」の目的で来店された方の大半は、この時点で夜逃げであることを悟られた」と思うのか、自発的にお帰りになります。
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