ロシアによるウクライナ侵攻により材木価格が上昇
新型コロナウイルス感染症の流行がなかなか終息しないことから、日本国内では材木価格が急騰しました。いわゆる「ウッドショック」です。
このウッドショックは、主に大手ハウスビルダーがコロナ禍が長期化するに伴い戸建住宅の着工件数が減少すると予想したことに端を発します。この大手ハウスビルダーの予測は大ハズレであり、リモートワークの増加などにより戸建住宅に対する需要が急増しました。
木造戸建住宅の着工件数が大きく減少すると予想した大手ハウスビルダーは、主に北米から輸入している材木の発注を止めてしまいました。木造の新築戸建住宅には、主に北米産の材木が利用されています。
リモートワークの拡大に伴い戸建住宅の需要が増えてきたことからアメリカおよびカナダに材木を注文しようとしましたが、既にアメリカ国内における材木需要が急増していることから日本からの注文を受け付けてもらえない事態が発生し、日本に材木が輸出されない状況になりました。
ウッドショックが発生した原因は以上の通りです。最近になりコロナ禍が終息に向かいつつあることから材木価格は徐々に下がり始め、コロナ禍になる前の価格に戻るのは時間の問題であると思われていました。
ところが、ロシアがウクライナに侵攻したことにより材木価格が再び上昇しています。日本経済新聞のWEBサイトから引用します。
住宅木材、米で10カ月ぶり高値 ウクライナ侵攻で16%急騰
2022年3月9日 21:30
米国で住宅用木材の価格が急騰している。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物価格は1週余りで一時16%上昇し、約10カ月ぶりの高値を付けた。ロシアのウクライナ侵攻や欧州などの経済制裁のあおりで、欧州からの木材供給が停滞するとの観測が広まったためだ。「ウッドショック」などで高値が続く米国相場で上昇圧力が強まった。
~以下、略~
日本経済新聞
米国で高値が付いたことから、日本が輸入する材木の価格も高騰することが避けられません。このため、今後は新築の木造戸建住宅における価格が大きく上昇します。ウクライナ情勢が更に悪化した場合、住宅価格は高騰し続けるものと思われます。
価格が高騰化するのは住宅だけではないと思われます。原油価格が大きく上昇した場合にはガソリン、食料品、建築資材等、あらゆるものが値上がりします。このため、日本国内における景気は著しく悪化します。
新型コロナウイルス感染症が終息しても、今度はウクライナ問題により悩まされることになります。
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