賃貸マンション・アパートに泥棒が入ることを防止する方法(オーナー様向け)

 賃貸物件の運営に際しては入居者が安心して平穏無事に生活していることが大前提です。賃貸物件において、物件に関する何らかの問題が原因で平穏な生活が送れない状況のまま放置されると、入居者は退去します。この場合、オーナー様が賃貸借契約を履行していないと評価され、損害賠償を請求されることがあります。

「泥棒」を侮ってはいけません

 平穏無事に生活できる環境を一発で見事に破壊するのは泥棒による窃盗事件です。お部屋の玄関扉を施錠せずに開放していたことから泥棒が侵入し、金品が奪われた場合は賃借人が責めを負うことはもちろんですが、施錠されている玄関扉の錠前を破壊する、屋上からロープを使用してバルコニーから室内に侵入する等の場合は賃借人に落ち度がない場合が大半です。

 「コソ泥のことを考えてる余裕がない」とか「盗まれる側にも問題がある」と考えるオーナー様がいらっしゃいますが、「泥棒」が窃盗行為に成功すると、日にちを置かずに別室への侵入を試みることが多いです。

「泥棒」が「強盗」に早変わりしたら目も当てられません

 怖いのは、「泥棒」が「強盗」に早変わりすることです。泥棒が室内に立ち入った際に入居者がいると、刃物を突きつけるなどの強盗行為が行われる恐れがあります。

 入居者が死亡したら目も当てられません。入居者が強盗に手足を縛られ、口をガムテープで塞がれたことで窒息死する事件がたまに報道されています。万が一、死者が出た場合にはマスコミなどで大きく報道され、事件が発生した部屋は事故物件になります。すると家賃をかなり下げないと次の入居者がなかなか決まりません。

 死者が出なかった場合でも、入居者が抱く恐怖感は計り知れません。同一建物内の入居者が一斉に退去してしまうことがあり、このようなことになればオーナー様は大打撃を受けます。

窃盗被害を防止するための対策

 対策を以下に列挙します。いずれも基本的かつ古典的と思える内容ですが、これらを実際に行うだけで、窃盗による被害をかなり防止できると考えられます。

1.中央玄関および裏口に、防犯カメラを必ず設置する

 裏口が開放されているにもかかわらず、防犯カメラが裏口に設置されていない物件があります。

2.防犯カメラを階段や廊下にも設置する

 カメラが随所に設置されている物件は、窃盗行為をためらうことに役立ちます。1台の防犯カメラだけでは犯人の顔や容姿が鮮明に映し出されないことがありますが、カメラを複数設置することにより犯人の映像を確実に捉えることが可能になります。

3.玄関扉の錠前をディンプルキーにする

 ディンプルキーを使用する錠前は、窃盗犯が解錠するのに時間を要します。泥棒が侵入をためらうことに役立ちます。

 ディンプルキーを使用した錠前の価格は通常のシリンダー錠よりも高額ですが、窃盗や強盗が入った際に受けるであろう被害のことを考えると安くつきます。

4.中央玄関の周囲、廊下などの共用部に物を置かないように入居者を啓蒙する

 管理がよく行き届いているマンションやアパートは、泥棒にとって侵入しにくいようです。共用部等に物を置かないように入居者を啓蒙します。また、見回りを頻繁に行うようにします。

5.屋上を確実に施錠し、立ち入れないようにする

 屋上からロープを階下のバルコニーに垂らし、ロープを伝い降りた犯人がバルコニーのガラスを破り、最上階の部屋に侵入する事件が増えています。このような犯行を防止するためには屋上を封鎖することが有効です。

 屋上を封鎖することは、飛び降り自殺の発生を防止することにも役立ちます。

6.外出する際には部屋の玄関扉を必ず施錠するように啓蒙する

 これを怠る方が、なぜかとても多いです。怠ったことから窃盗事件に巻き込まれています。

7.低層階の雨戸を鋼鉄製のシャッターにする

 1階または2階といった低層階の部屋が被害に遭いやすいです。バルコニーのガラス扉を高熱のバーナーで焼き切り侵入する輩がいますが、鋼鉄製のシャッターを設置することにより窃盗被害の防止に貢献します。