大和ハウス工業が住宅展示場の3割を閉鎖へ

 日本経済新聞のWEBサイトから引用します。

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大和ハウス、住宅展示場を3割削減 デジタル営業に移行
【イブニングスクープ】

2022年6月10日 18:00 (2022年6月10日 21:06更新)

 大和ハウス工業は全国にある住宅展示場を5年で3割減らす。新型コロナウイルス禍で来場者数が減少しているうえ、展示場を契機とした注文住宅の契約率が低下していることに対応する。今後、デジタル技術を活用した住宅販売へ段階的に移行する。人口減少で国内の注文住宅市場は20年で25%縮小した。展示場を大きく減らす取り組みは住宅各社の営業手法に影響を与える可能性もある。

~以下、略~

日本経済新聞

 ご承知の通り、コロナ禍、ロシア・ウクライナ間の戦争、急激な円安のトリプルパンチにより材木価格が急騰しています。ここのところ約1か月の間に材木の入手がかなり困難な状況に陥り、木造戸建住宅の新築工事が大きく遅れています。

 ロシア・ウクライナ間における戦争は終わる気配がありません。日本政府および西側諸国はウクライナを支援することを決め、ロシアに対する経済制裁を始めました。これに対し、ロシアは報復として日本に対する材木の輸出を禁止しました。

 このような状況では材木不足が何年も続く可能性があります。コロナ禍は完全に終息したとは言えず、住宅用部材の供給が不十分な状況です。特にキッチンおよび水回りに関する部材の生産が遅れており、このブログを執筆している2022年6月の時点では湯沸かし器やガスコンロの納品に2~4か月以上を要する状況です。

 今後は多くのハウスビルダーおよび工務店において新築戸建住宅の受注を無期限に延期、または停止する動きが出てくることが確実です。

 現在、着工から建築確認における完了検査を終えるまでの期間が異様に長期化しています。完了検査の時期を全く見通せない物件が増えており、これでは金融機関は新規の住宅ローン融資を手控えます。

 新築戸建住宅に対する需要が長期にわたり大きく減ることが容易に予想され、住宅展示場を維持する意味がないので大和ハウス工業は住宅展示場の大幅削減を決めたようです。他の会社も追随し、住宅展示場は次々に閉鎖されるものと思われます。

 今後は国内産の材木に注目が集まると思います。しかし、国内の材木のみで新築戸建住宅を建築しようとすると、建築コストはコロナ禍になる前の2倍以上になると思われます。それに国内材木の生産量は限られています。コロナ禍になる以前の需要を満たすのに必要な生産量には遠く及びません。

 このため、しばらくは中古戸建住宅、中古区分マンションに対する需要が増加すると予想しています。しかし、住宅ローンの返済期間の関係により築10年以内のいわゆる築浅の物件はなかなか売り出されない状況です。建築後10年程度で売り出すと、相場通りの売却価格で物件が売れたとしても多くの場合に購入時の価格より安くなり、いわゆる「逆ざや」と言える状況になるからです。