不動産売物件の内見は、一日に何件まで可能か

 電話やメールで、「売物件について複数の物件をまとめて一日で内見したいが、可能か?」という問合せをいただくことがあります。

 最近はインターネット上のポータルサイトで見つけた物件に対しピンポイントで内見をされるお客様が多いです。しかし、私の会社では探索条件をお知らせいただいた上で「条件に合致した物件が売り出されたら直ちに連絡して欲しい」と要望されるお客様もいらっしゃいます。

 提示される条件が緩やかで、「広いエリアから探したい」とか「一定の利回りがあれば良い」というお客様の場合は2件以上、日により数件以上の物件が同時にヒットすることがあります。

 数多くの物件がヒットした場合に「まとめて一日で内見したい」と言われるお客様が多くいらっしゃいます。

売物件の内見には集中力が必要

 都心にある居宅の場合、ほとんどにおいて価格は1千万円を超えます。中には1億円を超える物件が数多くあります。収益用不動産の場合は5億円を超える物件も数多くあります。

 内見の際には細かいところをチェックし、確認する作業が必要になります。何しろ生涯において何回も買い替えられるものではないので、言うまでもなく念入りに確認する必要があります。

 雨漏りの跡が天井にないか、開閉しにくい窓や扉がないか、キッチンの使い勝手、現在使用している洗濯機を新しい物件の洗濯機置き場に置けるか等はもちろん、周辺の建物による圧迫感がないか、隣地との境界、眺望なども確認します。

 内見して各部屋を一通り見学する際には最低でも30~40分を要すると考えておく必要があります。購入する物件の有力な候補であると考えた場合は1時間以上、場合により2時間以上をかける方が多いです。

 内見している間は集中力を維持することが必要です。重大な見落としをしたために後悔することは絶対に避けなければなりません。

一日に何件の物件を内見できるかは、内見希望者の集中力による

 1件の物件を内見するには集中力を1~2時間程度維持させる必要があります。3件を内見すると、3~6時間程度でしょう。同じ日に内見する物件の数が多いと集中力を維持させることが困難です。内見する物件の数が多すぎると印象が薄くなったり、記憶に留まりにくくなります。

 例えば「キッチンが広い家は何件目の物件だったか」とか「眺望が気に入った物件はどの物件であったか」等を思い出せなくなることがあります。

 内見に同行した不動産会社の営業担当がベテランであれば、ある程度のフォローが可能です。「私が『眺望が素晴らしいね』と言った物件はどれでしたっけ」などと尋ねられた際に「2番目に御覧になられた物件です。この物件の3階からは街全体を見渡せます。」等とフォローしますが、限界があります。

大半の方は一日に3~4件の内見が限界か

 このあたりは個人差がありますが、筆者はほとんどの方において一日に3~4件の内見が限界ではないかと考えてます。筆者の会社では、一日の内見は最大でも3件程度に絞ることが多いです。