収益用区分マンション、不労所得のはずが家計破綻

2023年7月14日

幻冬舎ゴールドオンライン(Yahoo!)の記事から引用します。

※掲載社の都合により元記事が削除され、リンクが切れることがあります。

※2023年7月14日追記:リンク先の元記事が削除されたのでリンクを外しました。

「ワンルーム投資で不労所得」のはずが一転「家計破綻」の危機…でも売るに売れない事情とは
1/7(土) 13:16配信
幻冬舎ゴールドオンライン

「ワンルームマンション投資」は昨今、不動産投資の初心者に人気です。営業マンのうたい文句で典型的なものは「少額から始められる」「所得税や住民税の節税になる」「いざというときの生命保険代わりになる」などです。しかし、実際には収支が合わず損をする人があとを絶ちません。本記事では、東京都世田谷区の新築ワンルームマンションを投資目的で購入した後藤さん(男性・40代※仮名)の事例を紹介します。

不労所得のはずだったワンルーム投資
後藤さん(男性・40代※仮名)は7年前に東京都世田谷区の新築ワンルームマンションを投資目的にて購入しました。

担当したマンション販売会社営業員からの「所得税や住民税の負担を減らせるので節税につながる」、「団体信用生命保険に入るのでいざというときの生命保険代わりになる」といった営業トークにつられての、「35年フルローン」を組んでのワンルーム投資でした。

好立地の物件につきすぐに入居者が決まりました。家賃収入から維持費やローン返済額を差し引いた利益が月に1万円弱ほど入るようになり、幸先のいいスタートを切ることができました。

しかし、投資開始4年目くらいには収支がちょうど同額になり利益ゼロ、さらに5年目に突入した瞬間、収支が逆転し赤字となってしまったのです。

家賃収入は新築時と変わらないのになぜ赤字に陥ってしまったのかというと、管理費と修繕積立金が原因でした。一般的に管理費と修繕積立金は新築時から年を追うごとに高くなっていく傾向です。その点を販売会社は販売当時十分に説明できておらず、事前の把握と対策ができていなかったため、後藤さんは想定外の事態に直面してしまったのです。

ワンルーム投資開始後に結婚、子どもも生まれ、自宅の住み替えや教育費などさまざまな費用が掛かるライフステージへ突入し、赤字を垂れ流しているワンルームが頭痛の種となってきました。早く売ってスッキリしたいと焦る気持ちを抑えられない様子で、不動産エージェントのところへ相談に訪れました。

売るに売れない金銭事情
後藤さんは当初、東京都世田谷区の人気物件だから売却すれば問題はすぐ決着するだろうと楽観視していました。購入時の販売会社も「売るときにはきっと買った以上の高値で売れますよ」を売り文句の一つとしていたくらいです。

不動産エージェントのもとへ駆け込む前に、後藤さんはいくつかの不動産会社に査定を依頼していました。ところが査定価格は1,900万円と衝撃の金額だったのです。

購入時のローンがまだ2,300万円ほど残っていたのですが、購入時の価格どころかローン残債より400万円も低い価格をつけられてしまいました。ローンを完済したいのであれば、不動産を売却し、さらに不足分の400万円をどうにか捻出しなければなりません。

~以下、略~

幻冬舎ゴールドオンライン(Yahoo!)

 収益用区分マンション、それもワンルームマンションを購入したことから自己破産に負い込まれた方が多数いらっしゃいます。

 収益用区分マンションについては利益が出る物件と大赤字になる物件との格差が極めて大きい実態があります。大きく利益が出る物件がある一方で、購入した途端に破産が確定するという恐ろしい物件があります。

 思うに、収益用区分マンションを運営する際は購入する物件の選択が大変難しいので、収益用不動産の運営初心者向きではありません。

 今回取り上げた記事の中に運営が失敗した理由が沢山書かれているので参考になります。

1.営業トークに釣られ、35年ローンを組んだ

 事業用ローンを利用することになりますが、住宅ローンと比較すると利息がはるかに高額です。長期のローンを元利均等返還方式(一般的な方法)で返済すると、返済金額の大半は「利息の返済」に充てられるので元本がなかなか減りません。このため、何年か後に売却したいと思っても多額の残債が残ることがよくあります。

 返済期間が長いと返済利息が多額になり、元本をなかなか返済できない状況に負い込まれることがあります。

2.管理費・修繕積立金が値上げされることに気付かなかった

 新築時は購入者を早く募るために管理費及び修繕積立金を安く設定する物件が多いです。購入後、数年~10年が経過したところで大幅値上げを行う物件が多くあります。

 近隣の物件における管理費・修繕積立金と比較し、将来的に大きく値上がりすることがないかを調べておくべきでした。

3.新築物件を購入した

 新築物件は、購入直後における設備の故障が少なく、入居希望者のウケが良く、事業ローン審査も甘くなることから初心者が選択しがちです。

 しかし、新築物件の特性として購入直後から物件の価値は大きく下がります。自宅併用型の収益用不動産、または一階にオーナー様の直営店が入居する店舗物件等でなければ、新築物件の購入はお勧めできません。

 また、新築物件の価値は購入直後から大きく下がるので、将来において売却することを予定する場合は手出し無用です。

4.その他

 上記の他にも管理組合が機能しているか、入居者が退去しても次の入居者が早く決まる立地か、利便性が良好であったか、ワンルームマンションに対する需要が多い立地であったか等に関する確認を怠ったのではないかと思います。