フラット35で収益用不動産を購入したら

 約2ヶ月前(2023年2月17日)に、「投資用物件の購入にフラット35を利用すると身の破滅」という記事を掲載しました。この記事がとてもよく読まれています。閲覧された回数は数千件以上です。

 閲覧された数から考えると、質の良くない不動産営業担当に言われるまま、フラット35を利用して収益用不動産を購入した方が数多くいらっしゃることが危惧されます。

 この投稿に複数回アクセスされた方がいらっしゃいます。もちろん、閲覧された件数は違法にフラット35を利用された件数を反映しているわけではありません。しかし、他の投稿における閲覧回数より桁違いに多いです。

 「フラット35を利用できないことについて全く知らずに収益物件を購入してしまった。どうしよう。」と慌てている方が数多くいらっしゃることは間違いありません。

 金融機関や住宅支援機構に正直に申告すると期限の利益喪失を宣告され、収益用不動産を任意売却または地方裁判所が実施する不動産競売により安く売却しなければならなくなります。多くの場合に借金が残るので、これは返済しなければなりません。損害賠償を請求され、さらに金融機関および住宅支援機構に対する詐欺罪に問われることがあります。

 「違法なことをした」と後で気付いても後の祭りです。長期の返済期間のどこかで現住所を確認するアクションが執られる可能性はかなり高いです。金融機関から発送された郵便物が届かない、担当者が住所を訪ねたら別人が現れた等の場合は調査され、発覚します。

 返済が終わるまで、そのまま放置することも考えられます。しかし、「発覚するかもしれない」と怯えながら何年も過ごすことは、かなり大きな精神的負担になります。

 フラット35を利用して収益用不動産を購入することは絶対に考えないでください。以下の営業トークを言われ、信用して契約すると身の破滅を招きます。

 以下の営業トークを展開された場合は直ちに交渉を打ち切り、退席することをお勧めします。

このような営業トークに要注意

以下の営業トークにおける内容は全てウソです。

・みんなやっているから大丈夫です。
・事業用ローンよりもフラット35の方が金利が低く、審査が緩いのでこちらにしましょう。
・フラット35を利用すれば、安い金利で自家用車を買えます。実際よりも少し金額が高い売買契約書を作成して金融機関に提出すれば大丈夫です。
・フラット35を利用して収益用区分マンションを購入すれば借金を棒引きに出来ます。実際よりも少し金額が高い売買契約書を作成してあげます。融資を受けた後、物件価格との差額を借金返済に回せます。
・金融機関や住宅支援機構に発覚しても、貸した側も損失を被るので摘発はしません。
・借主が入居すれば摘発されることはありません。
・契約後、数年が経てば摘発されることはありません。
 

フラット35を利用して収益用不動産を購入した方

 知らなかったとはいえ、外形的には「詐欺を行った主体は買主である」と見做されます。買主が不利益を被ることなく済ませることは出来ず、相応の損失が発生するのは仕方ないと考えます。

 「覆水盆に返らず」の諺があります。残念ながら、筆者からアドバイスできることはほとんどありません。