区分マンション購入では管理費、修繕積立金の滞納額に注意
収益用の区分マンションに対する需要が増えています。要注意なのは管理費および修繕積立金の納付状況です。これらが長期間滞納されている物件をうっかり購入すると、大変な目に遭うことがあります。滞納額、遅延損害金、場合により弁護士費用を加算した金額を新しく所有者になられた方が支払わなければならないからです。
「建物の区分所有等に関する法律」(いわゆる区分所有法)の第7条および第8条がこのことを規定しています。
取特権)
第七条 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
2 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
3 民法第三百十九条の規定は、第一項の先取特権に準用する。
(特定承継人の責任)
第八条 前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。
管理費および修繕積立金滞納の有無、および滞納されている場合の滞納額はマンションの管理組合または管理会社が発行する重要事項調査報告書により確認できます。通常は、売主側の不動産会社がこれを入手しています。
管理費および修繕積立金の滞納額は、区分マンションを新たに購入した方が負担しなければなりません。このことを知らない方が大変に多いです。
よく聞くのは観光地のリゾートマンションを不動産競売で購入したところ、滞納額が極めて多額で購入を断念したという話です。
「通常であれば300万円程度の物件を10万円で入札したら落札出来た。しかし、管理費および修繕積立金の滞納額および遅延損害金の合計額が1,000万円を超えていたので購入手続をとりやめた。」という話です。
滞納の有無および滞納額は、売主側の不動産会社が把握しています。しかし、裁判所が開催する競売公告には滞納額が掲載されているものの、新たに所有者に支払義務があることが記載されていないことがあります。
収益用区分マンションは、仲介手数料を節約するために不動産会社を通さずに個人間で売買されることがあるようです。特に現金一括で購入する場合に不動産会社を通さないことがあるようです。
不動産会社を通さないと、滞納している管理費・修繕積立金等の金額を知らずに購入してしまうことがあります。物件を売却すれば良いと考えても、滞納額があまりにも巨額だと物件の売却代金ではまかなえないことがあります。この場合は破産に負い込まれることがあります。このため、注意喚起として投稿します。
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