不動産の購入、どうして現地確認せずに購入するの?

 現地を確認せずに不動産を購入し、後悔される方が多くいらっしゃいます。特に1棟ものの収益用マンションやアパートを購入する際に現地確認を怠る方が多いようです。

 現地確認をしないで購入する方は、悪徳な不動産会社が開催する不動産の購入セミナー等に参加した方が多いようです。セミナーでは綺麗な会議室に通され、容姿端麗かつ言葉が丁寧な営業担当が登壇します。「成功者」と称する者が登場するビデオが放映され、「誰でも成功できる」等と購入を煽るのがよくあるパターンです。

 そしてセミナー終了後に1棟マンションやアパート等の収益用不動産が紹介されます。営業担当者が参加者を取り囲み、今すぐに購入申込書を提出するように強く迫ります。その際には美辞麗句を並べ立て、物件の良さ等を刷り込みます。

 その後は質の良くない営業担当が「現地確認や内覧を行う必要はありません。そのようなことをしていると他の方に先に買われてしまいます。」などの戯れ言を言い、焦らせます。

 また、営業担当が褒めちぎることによりすっかり舞い上がり、長時間の営業攻勢に疲れて購入する方もいらっしゃいます。

 セミナーで放映されたビデオに登場する「成功者」が本当に成功者なのかはわかりません。実在の人物ではなく、俳優に喋らせているだけかもしれません。

 不動産セミナーにおいて紹介された不動産の内容に偽りがあれば、宅地建物取引業法等が定める処罰の対象になります。しかし、セミナーで放映されるビデオに登場する人物が俳優であり、「成功者」ではなくても処罰の対象になりません。

 「○○町限定、予算○○円以内の土地を探している方がいらっしゃいます」等と記載したチラシが投函されることがあります。このチラシに記載された方が実在しない場合でも、処罰の対象にはならないとされています。不動産そのものに関する不実の内容が記載されているわけではないからです。セミナーで放映されるビデオは、このチラシと同様に扱われます。

 営業担当から「現地確認や内覧を行う必要はありません。そのようなことをしていると他の方に先に買われてしまいます。」などと言われた場合は直ちに商談を打ち切り、その場から退出することを強くお勧めします。