不動産投資詐欺被害の撲滅を訴えてデモ行進

2024年10月15日

NHK 首都圏NEWS WEBの記事を引用します。

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不動産投資詐欺被害の撲滅を訴えてデモ行進 東京 千代田区
首都圏NEWS WEB
10月14日 17時36分

将来への資産運用として投資に取り組む人も多い中、東京・千代田区で14日、不動産投資で被害にあった人たちが投資詐欺被害の撲滅を訴えて、デモ行進しました。

今回のデモは、投資に関する詐欺被害などの相談にあたる団体が主催し、被害を訴える当事者などおよそ200人が参加して東京・千代田区内を中心に行進しました。
参加者は「ストップ、金融詐欺被害!」とかけ声をあげるなどして投資に関する詐欺の撲滅と金融行政による監視の強化を訴えました。
また、歩道ではチラシを配って「節税や年金対策になる」とか「自己資金がゼロでも始められる」といった勧誘に注意することや、年収の低い若年層にも被害が多いことを呼びかけていました。
主催した一般社団法人リボーンの冨谷皐介代表は「自分がだまされていることに気づいていない人もいると思う。デモ行進をすることでこういう被害があるのだと多くの人に知ってほしい」と話していました。

NHK首都圏NEWS WEB

 不動産投資による被害のパターンを類型化すると、以下の通りになることが多いと思います。パターンは他にもありますが、文書量が多くなるので割愛します。

収益用不動産、よくあるパターン

 新築の賃貸用区分マンションを、家賃が相場より高めで利回りが良好であると説明されたので購入した。ところが全ての入居者が3か月以内に退去した。入居者は全て不動産会社が雇い入れたサクラであった。次の入居者を募集するために近隣の不動産会社を訪問したところ、付近の家賃相場はかなり安いことが判明した。近隣の不動産会社から、「当初予定していたであろう利回りでの運用は無理です」と告げられた。

 収益用区分マンションを不動産会社から勧められたので購入してしまった。管理費および修繕積み立て金が相場より異様に高額であるが、その旨の説明はなかった。マイナス収支を改善する方法がなく、売却したくても複数の不動産会社から「この物件は扱えません」と言われた。売却方法がなく、買い手がいない。

 不動産会社から収益用区分ワンルームマンションの購入を勧められた。不動産会社から「利率が低い」「審査を通過しやすい」という理由で住宅ローンによる購入を勧められ、購入した。数年後、金融機関から事業用ローンを利用しなかったことは契約違反であるとして一括返済を求められた。任意売却で安く売却するしかなく、物件を手放したために多額の借金が残った。

 1棟マンションを購入した。その際に、不動産会社の勧めによりサブリース契約を締結した。10年後、事情があり売却することにしたが、サブリース契約があるために近隣の類似物件より2割以上も査定が低くなった。サブリース契約が締結されていると査定が低くなる旨の説明はなかった。その後、サブリース契約を解約したいと申し出たら数千万円の違約金を請求された。

 悪徳不動産会社から「安い」「入門者向き」として賃貸用ワンルーム区分マンションの購入を勧められた。ところが線路際の物件であり、電車が通過する際の騒音が酷く、入居者がすぐに退去する。次の入居希望者を募ってもなかなか決まらないので常にマイナス収支であり、改善できる見込みがない。線路際の物件であることは重要事項説明書に記載されていたが、説明はなかった。

 問題であると思うのは、特にワンルーム(または1K)区分マンションを利用した不動産投資を「入門者向き」として宣伝している不動産会社が多いことです。

 このブログでは繰り返し述べていますが、収益用区分マンションは収益用不動産の運営における入門者向きではありません。また、投資用物件の購入および運用は「事業」です。オーナー様は事業者なので消費者としての保護を受けられません。後から「被害を受けた」と主張しても、救済策が見つからないことが多いです。

 また、物件の選択、融資を受ける際に金融機関に提出する書類の作成、その他を不動産会社に一任することは避けるべきです。大手、中小・零細にかかわらず、不動産会社の営業担当が歩合制で雇用されている場合に全てを任せることは大変に危険です。

 新たにオーナーになろうとする方は、ある程度の知識を蓄えていないと多大な金銭的損失を招く恐れがあります。信用できる不動産会社および営業担当者を選択することが、損失を防ぐことにつながります。