土地や住宅の売却、査定結果に疑義がある場合

 土地や戸建住宅、区分マンションの売却を検討中の方が不動産会社と相談すると、多くの場合に査定を勧められます。

 想定していた金額より高い査定結果であった場合は喜びのあまり、舞い上がる方が数多くいらっしゃいます。しかし、想定金額よりかなり安い査定結果の場合、お怒りになり、即刻お帰りになる方がいらっしゃいます。

 お客様が即刻お帰りになるのでは商売に繋がりません。このため、実際の相場よりかなり高い価格を提示する不動産会社の営業担当が散見されます。また、一括査定サイトに査定させると、最も高い査定価格は実際の相場より3割以上も高い場合があります。

 不動産の売却が初めてである方は、最も高い査定価格を信用し、この価格を提示した不動産会社に売却を依頼しがちです。しかし、相場より高い価格で売り出しても売却は困難です。売り出し開始後、何ヶ月かが経過したところで「価格を下げましょう」と提案されます。値下げの提案は1回で終わらず、何回も繰り返されることがよくあります。

 信用できるのは、アットホームやSUUMO等のポータルサイトに掲載されている近隣の物件で、特徴が類似した物件の価格です。なお、中古区分マンションの場合は内装や設備の傷み具合により価格が大きく変わりますので、参考にならないことがよくあります。このため、現地を訪問してもらい、査定を受けることをお勧めします。

査定結果が信用できないと思われる場合

 本題です。不動産会社の査定結果が信用できないと思われる場合は、査定の詳しい根拠をお尋ねすることをお勧めします。査定の根拠を満足に回答できない場合、その査定結果は信用できないことが多いです。

 査定の根拠を提示された場合でも、結果に満足出来ないことがあります。このような場合は不動産鑑定士に査定を依頼することをお勧めします。ただし、不動産鑑定士に鑑定を依頼すると30~50万円の鑑定費用が発生します。

 都心の高額物件や郊外の広い土地、一棟ものの収益用マンション等の場合は、類似の物件がポータルサイトに全く掲載されていないことがよくあります。このような場合は費用が発生するとしても不動産鑑定士に正確な鑑定を依頼することが良策です。