再建築不可の中古戸建住宅、購入の是非
ご承知の通り、特に東京都およびその近郊では収益用不動産の利回りが極めて低くなっています。銀座周辺では表面利回り2%台の物件が売り出されています。
利回りが高い収益用不動産が欲しければ、安く購入することが必要です。このため、再建築不可の土地上に建つ安い中古戸建住宅を購入して運用することを考える個人投資家が増えています。
再建築不可とされるのは市街化調整区域内の土地、竿の部分における幅員が2m未満の旗竿地、他人の土地を通らないと道路に出られない等の土地です。
なお、市街化調整区域内の土地に居宅があり、所有者が自ら居住している場合は、条例により再建築が認められる場合があります。ただし、再建築できても自己居住用(実需用)の居宅に限定されることが多いです。賃貸用戸建住宅としての運用、または店舗の開設を目的とした再建築は認められないことがよくあります。
再建築不可とされている土地でも建築審査会の審査により安全性が確認された場合は例外的に再建築が認められることがあります。しかし、再建築が認められないこともあります。例えば土砂災害警戒区域内にある再建築不可の土地はほぼ確実に審査を通過出来ず、再建築が認められません。
旗竿地の竿の部分における幅員が狭い場合、再建築が認められるかはケースバイケースです。東京都23区内の場合、幅員が1.8m以上あれば建築審査会の審査により再建築が認められることがあるようです。
ただし、再建築が許可されるかは総合的に判断されます。「このような土地であれば再建築可能」と言えるものはありません。明確に言えることは、再建築不可の土地に賃貸用戸建住宅を再建築することはかなり困難であることです。
建物が失われる理由の多くは火災です。隣家からのもらい火が原因である場合は、失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)により補償を受けられないことが大半です。
再建築不可の中古戸建住宅を購入する際に注意が必要なのは、建物が失われたら再建築が全く認められないのかという点です。
あえてリスクを取り賃貸戸建住宅の運営をする覚悟がなければ、再建築不可である中古戸建住宅の購入はお勧めしません。
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