中古区分マンション購入、現況での購入は得か
※おことわり:本投稿は2024年4月における社会状況に基づいています。将来において職人の人手不足が解消された場合はあてはまりません。あらかじめ御了承願います。
中古区分マンションの売却物件をポータルサイトで検索すると、同じマンションにある複数の売物件がヒットすることがあります。現況渡しの物件があり、さらに新規内装リフォーム済、またはフルリノベーション済の物件があります。最も安いのは現況渡しの物件なので、これを購入してリフォーム業者に施工させる、またはDIYによる施工を考える方がいらっしゃいます。
中古区分マンションのリフォームは戸建住宅より難しい
①管理組合が様々な制限を設けていることがある
マンションの場合、管理組合がリフォームやリノベーションに対し独自の制限を設けていることがあります。リフォームを行う場合、管理組合に届け出ることを定めているマンションが多いです。多くの場合、届け出のみで済みます。しかし、壁クロスの貼り替えのみでも管理組合の理事会に諮る必要があることを定めているマンションがあります。
この場合、理事会の開催頻度が問題になります。開催の頻度が1~2か月に1回の場合、最長で2か月もの間リフォームを開始できないことになります。
また、工事時間の厳守、土曜日および日曜日の工事は行わない等を確約させられることがあります。特に問題になるのは土曜日の工事禁止です。応じる工事業者は少ないのが現状です。
畳の部屋をフローリングの部屋に模様替えしたいと思っても、畳からの変更を禁止しているマンションが散見されます。変更が認められるマンションでも床材料のグレードを指定されることがあります。
②近隣の部屋に対する対応を誤ると、入居後に深刻なトラブルに発展する
現在、職人がかなり不足しており、深刻です。このため、工事期間が予定より長くなることがよくあり、近隣の部屋の住人からクレームが発生する事案が散見されます。
このような場合、近隣のお部屋における対応を誤ると、入居後に想定していないトラブルに遭遇することがあります。
③水回り設備などに特注品が使用されていることがある
システムキッチン、トイレ、バス等に外国製の特注品が使用されているマンションがあります。壊れてかかっている、または汚れが酷いことから交換したいと思っても、簡単に交換できないことがあります。
よくある問題は、システムキッチンにおける排水管の位置に関する問題です。現在、大半のシステムキッチンでは流し台の排水管を床に設けられた排水管に接続します。ところが、マンションにより流し台からの排水管を壁に設けられた排水管に接続する仕様を採用していることがあります。その理由は、外国製のシステムキッチンを設置することを念頭に置いて室内の仕様を設計したからです。
この「壁排水」の仕様はとても大きな問題になることがあります。現在、国内で壁排水仕様のシステムキッチンを製造しているメーカーはとても少なく、しかもほとんどは受注後生産です。
新築分譲時に設置された外国製のシステムキッチンを探しても、製造中止になっていることが多いです。仮に外国で探し当てても、それを日本に輸送してもらうための手続がかなり煩雑であり、月単位の日数を要します。必要日数、手続、輸送費及び関税等を考慮すると、現実的ではありません。
壁および床を壊し、排水管の位置を変える工事が必要になることがあります。このような工事は通常の水道工事店やリフォーム会社では行えないため、専門の業者に依頼することになります。当然、費用は高額になります。
まとめ
中古区分マンションのリフォームは、一般のリフォーム業者のみでは対応出来ないことがしばしばあります。もちろん、DIYでは対応出来ません。価格が高くなりますが、新規内装リフォーム済、またはフルリノベーション済の物件を購入することが精神的な負担が少なくて済みますし、早い入居が可能です。
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