リフォーム業者、職人不足と資材高騰のダブルパンチ
※本日の投稿は、主に東京およびその近郊において該当します。他のエリアでは状況が異なる場合があります。
最近、リフォーム業者の廃業および倒産が急増しています。主な原因はロシア-ウクライナ間の戦争を原因とする資材価格高騰、および職人不足です。
筆者の会社がある東京都では、リフォーム業者の確保がかなり難しくなっています。コロナ禍になる前は、リフォームの際に数社から見積もり(相見積もり)を取ることが通常でした。そして価格が安いリフォーム業者に発注することが通常でした。
しかし、リフォーム業者に相見積もりを求めても内容の差異がほとんどなくなっている感があります。また、値引きする余裕がないためか、値引き要求は拒否されることがほとんどです。
さらに、クロスの張り替え、室内扉の交換程度でも見積に1~2か月、工事は3~6か月後になると言われることが増えています。しかも、一定の工事金額に達しないとリフォーム工事を引き受けない業者が散見されます。
現在の職人不足は異様であり、筆者が不動産業界に携わってからこのような状況に陥ったことは一度もありません。職人不足の原因は「技術力のある職人が高齢になり引退した」、「3Kの職業なので若者に人気がない」等と言われています。更に大阪万博の工事も原因の一つかもしれません。
このような状況なので筆者に対し、同業他社からリフォーム業者および職人を紹介してほしい旨の要請があります。しかし、全く応じられない状況です。
「リフォームを格安で引き受ける」、「工事を直ちに開始できる」等の宣伝文句に注意
最近、賃貸物件のオーナー様に「リフォームを格安で引き受ける」などの電話やダイレクトメールがあるようです。そして営業担当に連絡すると「工事を直ちに開始できます」等と言われ、直ちに発注する方がいらっしゃいます。しかし、このような業者を信用することは危険です。
現在、大半のリフォーム業者において職人が大幅に不足しています。「工事を直ちに開始できる」ことは、ほとんど考えられなくなっています。
高額な着手金を請求されたら要注意
工事前に高額な着手金の支払を求められることがあります。本来、リフォーム工事は請負契約です。通常の場合、請負契約における代金支払は工事の完了後で構わないはずです。しかし、確かに資材価格が急騰しているので、ある程度の金額を着手金として請求されても仕方ないと思える場合があります。
なお、通常のリフォーム工事なのに「工事代金の全額を前払いしてほしい」などと言われたら要注意です。最悪の場合、代金を支払ったのに工事を行わず、そのまま倒産するかもしれません。工事前に支払った着手金を返還してもらえない事態になりかねないので、要注意です。
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