取引態様:「一般媒介」と「媒介」とは大きく異なる

2024年6月18日

 不動産物件をアットホーム、SUUMO等のポータルサイトで検索すると、物件情報に取引態様の項目があります。取引態様には専属専任媒介、専任媒介、一般媒介、媒介、売主、代理があります。

 前の3つと「売主」はよく知られています。不動産取引に関するWEBサイトや解説書のほとんどによく書かれています。専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の違いについて検索すると数え切れないほどの記事がヒットしますのでこれらの説明は省略します。しかし、「媒介」と「代理」について触れているWEBサイトや解説書はとても少なく、知らない方が多いと思います。

 一般媒介では、売主から販売活動を行うように直接依頼された不動産会社が売主との間に一般媒介契約を締結しています。一般媒介を受けた不動産会社は当該不動産に対する詳細な説明を売主より直接受けています。当然ですが、建物や区分マンションの場合は鍵を渡されていることが多いです。キーボックスに入れた鍵を現地に置いてある場合は、キーボックスの番号を知らされています。

 これに対し、「媒介」では売主が不動産会社に販売活動を行う事を依頼しているものの、書面による媒介契約の締結はしていません。「媒介」では、不動産会社が売主から広告宣伝活動の許可を貰い、ポータルサイトに掲載しているに過ぎません。

 このため「媒介」による販売活動を行っている不動産会社は、当該不動産に関する詳細資料が手元にないことがよくあります。鍵を渡されていることはまずありません。キーボックスに入れた鍵を現地に置いてある場合も、キーボックスの番号を知らされていないことが大半です。内見希望のお客様が現れた際に、初めて売主が鍵を不動産会社に貸し出すか、キーボックスの番号を開示します。

 同一の物件をポータルサイトにおいて数社の不動産会社が掲載し、その中の1~2社のみが「一般媒介」であることがあります。そして残りは「媒介」で掲載していることがあります。

 このような場合は取引態様が「一般媒介」である不動産会社の方が当該不動産に関する情報を多く持っていることが多いです。また、「一般媒介」の不動産会社に内見を希望すれば、鍵の所在を知っているので即時に手配してくれることが多いです。

 取引態様の「代理」は後日、改めて解説します。