買い取り業者に不動産の買い取りを依頼する場合

 現在、多くの不動産会社が不動産の買い取り及び再販を行っています。通常の販売活動を不動産会社に依頼したものの、短期間に売却できなかったことから買い取りをお願いする場合を想定します。

 販売活動を行っていた不動産会社に相談すると「自社で買い取らせてください。仲介手数料は不要です。」などと回答されることがあります。このような場合、買い取り価格が妥当かを確認する必要があります。

可能であれば数社から見積もってもらう

 「自社で買い取る」との申し出があった場合でも、他社に買い取り価格を打診してもらうことをお勧めします。

 「当社が買い取る場合、仲介手数料は無料です。」などと言われる場合があります。しかし、買い取り業者により金額が大きく異なることがよくあります。場合により仲介手数料の金額を超えるくらいに大きく異なることがあります。

 このため、他社にも打診してほしい旨を伝えることをお勧めします。取引により数百万円~1億円以上の金額が動くので、遠慮せずに数社への打診を要望することをお勧めします。嫌がるようであれば、その不動産会社との間で締結している媒介契約を解約してもかまわないと考えます。

 見積もり先は最低でも数社にしてもらうことをお勧めします。通常は、その中で最も金額を提示した買い取り業者を選択することになると思います。ただし、買い取りに際し何らかの条件が付くことがあるので、この場合はその内容に注意します。

 この見積もりは、仲介手数料を支払ったとしても売買仲介を専門としている不動産会社を通じて行うことをお勧めします。一個人が複数の買い取り業者に対し個別に問合せをすると、自宅や職場に訪問される等、収拾が付かなくなることがあります。

 見積もりを依頼した不動産会社に、査定した業者の名称、買い取り金額、書面・口頭のどちらで回答があったか等をまとめた書類を作成してもらいます。その上で最終的な判断をします。

括査定サイトの利用はお勧めしません

 複数の会社に対し同時に打診できることから一括査定サイトの利用を考える方がいらっしゃいます。しかし、このブログにおける以前の投稿に記載したとおり、自社に対する依頼を誘導するために相場より過大な金額を提示する不動産会社があります。しかも査定の根拠はいい加減であり、さらに知らない間に個人情報が多くの不動産会社に広がる恐れがあります。

 一括査定サイトの規約に「自宅や職場へのアポなし訪問および電話は行わない」などと記載されていても安心できません。大手の不動産会社であっても歩合制で雇用されている営業担当は遠慮なく自宅や職場を訪問しますし、電話をかけます。このため、筆者は一括査定サイトの利用をお勧めしません。