賃貸物件オーナーになろうとする方の勘違い(その4)

前回投稿した内容の続きです。

 本日は⑨および⑩について解説します。

⑨線路際や崖上の物件でも駅から近ければ直ちに購入するべきである。 ⇒ 誤り

 これは筆者が直接受けた相談事例の一つです。相談内容は「都内のある駅から徒歩1分の場所にある1棟マンションの購入を勧められています。想定表面利回りは都内の駅近なのに7%を超えます。懸念しているのは物件が線路際であることです。購入して大丈夫でしょうか。」というものです。

 結論から申し上げると駅近くで利便性が高い物件は、賃借人が退去しても次の入居者が早く現れます。しかし、物件がが線路際にあると入居開始後1年未満で退去する方が多いのが実情です。空室が発生する度に貸室のリフォームやハウスクリーニングを行い、入居者募集に際して不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。入居者が短期で解約する物件は、想定表面利回りが高くてもお勧めしません。

 ちなみに徹底した防音工事を施していれば、短期で解約する方は少ないように思えます。しかし、列車の通過に伴う振動の防止は極めて困難です。

 崖上の物件は崖の上り下りに苦労しますので、短期間で解約する方が多いです。また、将来において建物を再建築する際に擁壁の再構築が必要になる物件があります。再構築の費用は莫大になることがよくあるので、大きなマイナス要因です。駅近で利便性が高くてもお勧めしません。

⑩収益用区分マンションは安く買える収益物件であり、収益用不動産運営の初心者向きである ⇒ 誤り

 未だに「収益用区分マンションは収益用不動産運営の初心者向きである」とするWEBサイトや解説本が散見されます。

 質の良くない不動産会社に相談すると、この類いの戯れ言を言われることがあるようです。他には「年金代わりになります」、「簡単に不労所得を得られます」等と言われることがあるようです。いずれも悪質なウソですので要注意です。

 詳細は、過去の投稿で詳しく述べていますので参照願います。