東京都区内の不動産、売物件の不足が深刻

2024年9月25日

 最近、不動産の購入を検討されているお客様のご要望を満足する物件がなかなか見つからないことが増えています。注文住宅を建てたいというお客様から土地の探索を依頼されても、希望されるエリア内の売地が全く存在しないことがよくあります。中古区分マンションも同様です。

 また、物件が少ないエリアでは売主が強気になり、相場よりかなり高額な価格での売却を希望されることが増えています。これが原因で、物件が見つかるまで長期間お待ちいただくしかない状況が増えています。

 原因は、不況の深刻化による買い替え需要の激減ではないかと考えています。買い替え需要が減少すると、売り物件は出ないからです。

 買い替えを行う際は、手持ちの資金を足すことにより現在生活している場所よりも立地が良好な物件を求める方が大半です。ところが手持ちの資金が少なくなり、買い替えを断念する方が増えていると容易に想定されます。 

 お客様から「空き家が増えているのだから、これを壊せば土地として売れるはず。」と言われることがよくあります。確かに東京都区内における空き家は増えています。

 しかし、相続が繰り返されたために共有する所有者が増えすぎている物件があります。このような物件を売却するためには所有者全員の同意が必要です。そして所有者の一人でも行方不明の場合は建物の解体が認められません。このため、土地として売却することは出来ないことになります。

 特に東京都区内の城南エリア(目黒区、品川区、大田区、世田谷区南部)では売物件がとても少ない状況です。

 今後、売物件が増えるかは日本の景気動向によると考えられます。消費税の増税などが行われるようであれば、売物件の不足がますます深刻になると思われます。