不動産の内見を装った強盗犯が逮捕されました

2021年4月20日

このブログで以前に投稿した不動産の内見を装う強盗事件ですが、3月19日の事件における容疑者として二人組が逮捕されたとのことです。TBSの報道によると、「2、3軒不動産会社を回り、女性従業員が多いところを選んだ。」と供述しているようです。3月30日に発生した事件も同じ容疑者が関与しているとみて捜査しているようです。

※4月20日追記、リンク先の元記事(TBSの報道)が削除されましたので、リンクを外しました。

警視庁が、(公社)宅地建物取引業協会等の不動産関連団体に対し、異例と言える「依頼」(事実上の通達、詳細はこちら)をしていることから、かなり力を入れて捜査していると感じていました。

不動産会社の従業員が多額の現金を持ち合わせていることはあり得ないのですが、何故このような馬鹿げた行為を行ったのか、とても疑問です。

仮に今回の事件における容疑者が立件された場合、不動産会社の従業員に怪我を負わせていることから間違いなく6年以上の懲役刑が実刑として科されます。初犯でも執行猶予はつきません。何と割の合わない行為をしたのかと悔やむことになると思いますが、後の祭りです。

容疑者が逮捕されたことから不動産会社では一安心と言えるかもしれません。このような事件が発生すると、不動産業界で働こうとする方の意欲を大きく損ないます。従業員の中には退職する方が出ますし、その後に求人を募集しても応募者がなかなか現れないので、不動産会社としては大迷惑を被ります。

今回の強盗事件がきっかけで、東京都内の不動産会社には、内見を希望されるお客様に対し、身分証明書の提示(当然、コピーを撮らせていただくことになります)を求めることが事実上「義務化」されました。このため、気になる物件をその場ですぐに内見していただくことが難しくなりました。

このため、不動産会社の店舗事務所におけるトラブルが増えることが懸念されます。「今までは身分証明書は不要としていたのに納得できない。」とか「お客様を強盗と見做すのか、馬鹿にするな。」、「他の不動産会社に行くからいい。」等の暴言を吐き、お帰りになる方が間違いなく増えます。

新型コロナウイルス感染症がなかなか終息しないことから失業者が増えています。失業した場合には雇用保険による給付を受けられ、賃貸物件の入居者は住居確保給付金、企業は雇用調整助成金を受け取れますが、いずれも条件があり、さらに期間が限定されています。十分な給付を受けられない方が多く、さらにこれらの制度に関する情報を入手できていない方が多くいらっしゃいます。

このような社会状況では、今回の事件の模倣犯が次々に現れることを危惧します。また、前述した給付が打ち切られた時点で自暴自棄になり、犯罪を犯す者が増えることを警戒する必要があります。

今後、賃貸アパートや賃貸マンションなどの収益用不動産では、廊下の天井などに防犯カメラを取り付けることが必須になると思います。

賃貸物件を探している方が物件を選択する際に、重視するポイントの一つになることは間違いありません。詳細は、昨日の投稿をご覧ください。