ガス設備などの点検を装う強盗事件が多発しています

 全国賃貸住宅新聞ニュースのWEB記事から引用します。

※掲載社の都合により元記事が削除され、リンクが切れることがあります。あらかじめ御了承願います。

「設備点検装う強盗」多発
2020年10月13日

「設備点検装う強盗」多発
 8月下旬以降、首都圏でガスの法定点検などを装った強盗被害が相次いでいる。少しでも被害を減らすために、オーナーや管理会社の立場でどんな防犯対策を打てるのか。取材から浮かんできたのは「入居者に危機意識を高めてもらう」「防犯設備の見直し」の二つ。実践している管理会社の事例を基に、工夫と注意点を伝える。

高齢入居者に架電し危機意識高める
 千葉県松戸警察署によれば「一連の強盗事件はいわゆる『アポ電強盗』と呼ばれる手口だ」という。被害状況は表の通り。『アポ電強盗』とは、警察や役所職員などになりすまし、高齢者をターゲットに資産状況などの確認電話をかけたのち強盗に押し入る手口。一連の強盗事件でも、事前に『アポ電』がかかってきていた。

~以下、有料記事のため略~

全国賃貸住宅新聞ニュース

 主に高齢者を巧みな口調で騙し、訪問日時の約束を取り付けて訪問し、強盗行為に及ぶ犯行形態です。ガス設備の点検は、格好の口実になります。

 犯人は、家にいくらのお金が置いてあるかを巧みな口調で尋ね、ガス機器等の設備の点検を行うためにこれから訪問する旨を告げ、訪問します。騙されて玄関を開けてしまうと、強盗の被害に遭います。

 アポ電強盗は、賃貸アパートおよび賃貸マンションでも発生します。両手両足を縛られ、口や鼻にガムテープを貼られたことから窒息死した方が数多くいます。このような行為は強盗殺人罪に該当し、犯人は死刑または無期懲役のいずれかに処せられます。有期の懲役刑は設定されていません。

 犯人が極刑になったとしても、万が一被害者が死亡した場合には、賃貸アパートおよび賃貸マンションのオーナー様は大打撃を被ります。強盗犯人の行為により入居者が死亡した場合は、その部屋は事故物件になり、心理的瑕疵がある物件として扱われることになるからです。他の部屋においても退去する方が発生しますし、家賃を大幅に値下げしないと次の入居者がなかなか現れない状況になることが多いです。

 このため、賃貸アパートおよび賃貸マンションのオーナー様においてもアポ電強盗への対策をしっかり行う必要があります。アポ電強盗の被害が発生している旨の警告ビラを作成し、入居者の郵便受けに定期的に投函する、管理会社の担当者が巡回する際に高齢の入居者に注意を促す等の対応が考えられます。

 入居者の中に固定電話を使用する高齢者がいる場合は、留守番電話による待ち受けを行う、録音機能付きのアポ電対策機能付きの電話機に入れ替えるなどの対策が考えられます。また、地方自治体により自動通話録音機を貸し出しているところがあります。

 オーナー様または管理会社からこれらの情報を随時提供することが防犯につながると考えられます。

 また、アポ電対策機能付きの電話機を購入する際に補助金を支給する地方自治体があります。ただし、オーナー様による補助金申請は認められないところが大半です。