コロナ第5波の終息後における、都内中古区分マンションの販売動向予想

※お断り
 本日掲載する記事は、他の有名ブロガーや雑誌編集者等が書いている内容と大きく異なる部分があるかもしれません。あくまでも筆者独自の想定になります。

 新型コロナウイルス感染症の第5波が終息に向かっているようです。今日は、都内の中古区分マンションにおける供給量および価格がどのように推移するかの予想について書きます。

 中古区分マンションの販売価格はここ2年の間に大幅に上昇しました。コロナ禍の間は物件探しをする方が減ることから売り物件が多く売れ残り、価格が下がると考える方が多かったようですが、東京都内では2年前より査定価格が1~2割程度高くなった物件が多くあります。

価格が高騰した理由は以下の通りです。

1.買い替え需要が激減したことから売り物件の数が減少した
 中古区分マンションは、買い替えを希望する方がいないと出てきません。買い替えを希望している方の多くはより良い条件の物件を求めます。具体的には築年数が経過していない、ハイグレードである、室内面積が十分に広い、交通の便が良好である等の条件を満たす物件を探します。

 そしてほとんどの方は、現在所有している物件を売却して得られた金額にいくらかの資金を追加して買い替えることをお考えになります。

 ご承知の通り、コロナ禍が深刻になり、しかも長期化したことからほとんどの業種において業績が低迷しました。このため、勤め先を解雇されたり賃金をカットされる方が激増しました。

 住み替えを検討していたものの、物件の売却代金に追加する資金を捻出できないとして買い替えを諦めた方が多くいらっしゃいます。このことが原因で買い替え需要が激減し、結果として売り物件の数が減少しています。

2.新型コロナウイルス感染症の流行により新築マンションの建設が抑制されている
 詳細は昨日の投稿に記載しましたが、東京都区内における利便性の良好なマンション建設用地はとても少なくなっています。マンション建設用地はいわゆる「入札」により売買されることが多く、市場流通価格の2~3割増しで取引されることがあります。

 このような状況に加え、東南アジアにおけるコロナ禍がなかなか終息しないことから建築用部材の生産が停止し、需要を満たせる量の部材を輸入できなくなっています。これではマンションディベロッパーは新築マンションの建設を抑制するしかありません。

 購入希望者が希望するエリアに新築マンションが建設されないという状況が増えています。このような場合、居住エリアを第一に考える購入希望者は中古マンションを探すようになります。このため新耐震、築浅、ハイグレードの中古区分マンションを探す方が増えています。

 しかし、このような築浅、ハイグレード等の要件を満たす中古区分マンションは、それ程多くはありませんので、絶対的な売り物件の数は少ない状況です。

 中古区分マンションの数が増えてくるまでの間、特に築浅でハイグレードな物件では販売価格の高騰が続くと想定されます。