オートロックの過信は禁物です
昨日の投稿では暗証番号方式のオートロックが危険視され始めていることを書きました。それでは暗証番号方式でなければ安心なのかというと、過信は禁物であると言えます。今日は、このあたりについて書きます。
暗証番号方式以外では鍵を差し込み入館する方式、ICカードまたはICチップを搭載した部屋のカギをかざして解錠する方式があります。昨日の投稿に書きましたが、暗証番号方式の場合、入居者が不用意に暗証番号を宅配業者等に教えてしまう恐れがあります。鍵やICカード、ICチップ搭載キーで解錠するシステムではこのような危険はありません。
しかし、鍵やICカード、ICチップ搭載キーを紛失した際には大きな危険が生じることがあります。鍵やICカード、ICチップ搭載キーが道端に落とされ、第三者がこれを拾得した場合でも、どのマンションにおける鍵やICカード等なのかがわからなければ、危険性はほとんどありません。しかし、入居者の住所を示すものと共に拾得されると、拾得した者がマンションのオートロックを解錠して侵入する恐れがあります。
特に危険なのは、鍵やICカード等を入れた鞄やバッグをひったくられた場合です。運転免許証や健康保険証等を一緒に入れていた場合、犯人がオートロックを解錠して侵入し、最悪の場合は部屋にも侵入する恐れがあります。
鍵やICカード等を紛失した場合、管理会社に申告するように定めているマンションが多いです。このため、オートロックの鍵を紛失した旨を管理会社に申告したところ、オートロックの鍵を交換し、全ての部屋における錠前等を交換する必要があるとして20万円以上の費用を請求された方がいらっしゃいます。
最近ではコロナ禍がなかなか終息しないことから管理費、修繕積立金の滞納が増加し、管理費、修繕積立金が逼迫しているマンションが増えています。このようなマンションにおいて、多額の請求が行われることがあるようです。
このような多額の請求は、オートロックを危険なものにしています。「自室の玄関扉における錠前のみを自分で交換し、オートロックの鍵を紛失した旨は管理会社に申告しない」という入居者を増やすからです。
また、管理会社の中には入居者からオートロックの鍵を紛失した旨が申告されても、当該入居者とのトラブルを避けるためにオートロックの鍵交換を行わないところがあります。
オートロックの過信は禁物です。防犯上、最も有効なのは各部屋の玄関扉を常時施錠しておくことです。何らかの方法でオートロックを通過した窃盗犯、強盗犯が無施錠の部屋に侵入して犯行を行う犯罪類型が多いです。
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