収益用不動産(賃貸アパート、マンション)を早く満室にしたい方へ

2022年1月16日

 コロナ禍であることから都心の単身者用住宅における空室率が上昇しています。私の会社がある東京都目黒区でにおける空室率の平均は、あくまでも推定になりますが20%前後であると思われます。

 この空室率は極端に高いのですが、東京都区内において満室で稼働している収益用不動産はかなり少ないのではないかと思います。特に最寄り駅から徒歩15分以上を要する場所に立地する物件における空室率が高いようです。

 早く満室にするためには、入居希望者の印象を良くすることが必要です。「空室がなかなか埋まらない」とお嘆きのオーナー様は、所有されている物件について以下の点に関する問題がないかを確認することをお勧めします。

1.家賃が適正か
 通常、家賃は部屋の広さで決まります。どのエリアでも、単位面積当たりの家賃相場があり、これを大きく逸脱した物件は、入居先を探している方における入居先の候補から一番最初に外されます。

 よくある勘違いは、「新築またはそれに近い物件は高額の家賃を設定しても構わない」というものです。新築や築浅の物件でも、上乗せできるのは家賃相場の5~10%程度です。新築物件ではこれ以上の金額を上乗せしている物件が散見されますが、これでは入居者はなかなか決まりません。

 敷金および礼金の額をどのくらいにするかについては、エリア毎に慣習があるのでそれに従うことをお勧めします。

2.不具合を放置していないか
 雨漏り、漏水による床の水濡れ、窓を施錠できない、エアコンが動かない等の物件は論外です。共用部におけるオートロックのドアやエレベーターが故障しているのにいつまでも修理をしない物件があります。オーナー様に何故修理しないのかを尋ねると「お金がないから」と言われる方が多いです。

 不動産会社が客付けを熱心に行っても、この状態での客付けは絶望的です。「賃貸借契約が成立し、敷金、礼金および家賃の入金を確認できたら修理業者を手配します」と言われるオーナー様がいらっしゃいますが、このような物件に入居する方はいません。敷金、礼金および家賃を入金したら、直ちに入居したいと考える方がほとんどであり、業者による工事期間を待つことを容認する方はほとんどいません。

さらに「オーナー様が修理への対応をしてくれないかもしれない。この物件は見送ろう。」と考えるので、入居者がいつまで経っても決まらないことになります。 

3.室内が綺麗か
 退去した前入居者による残置物やゴミが残されている物件がたまにあります。ハウスクリーニングを行っていない物件は、入居先を探しているお客様から直ちに敬遠されます。

 オーナー様の中には「ハウスクリーニングは入居後に御自身の負担で行ってください。」と言われる方がいらっしゃいますが、これでは入居先を探している方の印象が良くありません。

 壁クロスが剥がれたままである、または著しい汚れがあるのに放置されている物件も同様です。意外に見落としがちなのはガスコンロ(テーブルコンロ)です。前の入居者が使用していたガスコンロをそのまま次の入居者に使用するのは印象が良くありません。テーブルコンロは新品を2~3万円程度で購入できるので、新品に交換しておくことをお勧めします。

4.建物の外部にも注意
 自転車が無造作に放置されている物件があります。部屋数を超えた台数の放置自転車があり、錆が付いて朽ち果てた自転車が何台も放置されている物件は敬遠されます。

5.建物内部、共用部にも注意
 共用部の廊下、階段に入居者の鉢植えや物置、物入れ等が置かれていることがあります。火災などの非常時にはとても危険です。

 部屋の扉に「○○さん、家賃を払ってください」等と書かれた紙が貼られている物件も敬遠される原因になります。このような貼り紙は「何か起きるとさらし者にされる」という恐怖感を与えることから、入居をためらう原因になります。