賃貸住宅における住宅設備機器の供給不足が深刻化
新型コロナウイルス感染症の流行が終息しないことから、湯沸かし器、ユニットバス、水道配管、キッチンユニット等の住宅用設備機器が入手困難に陥っています。情報ソースはネット検索すると多数ヒットするので引用はしません。
賃貸住宅における水回りに関する部材および機器の多くは、東南アジアおよび中国から輸入しています。ところが新型コロナウイルス感染症のオミクロン株が爆発的に流行し、工場および運送会社の従業員が多数罹患したことから閉鎖に追い込まれています。
約2年前から新型コロナウイルス感染症が流行し、緊急事態宣言が発令されたことから閉店に追い込まれた飲食店が数多くあります。資金力のあるオーナーは事業継続を早めに断念し、損切りをした上で収益用不動産(賃貸アパート、賃貸マンション)の購入に走りました。
また、「老後には2000万円が必要である」とのフレーズが流行したことから、収益用不動産の購入希望者が急増しました。ところが短期間に急増したことから中古物件の売主が強気になり、利回りが異様に低い物件ばかりになりました。
現在、都心における中古の収益用不動産における表面利回りは3.5~4.5%が主流です。コロナ禍になる前は6~9%が主流でした。中古の収益用不動産の利回りがここまで下がると、新築の収益用不動産の利回りに近くなります。そこで、自身がお住まいの戸建住宅を賃貸併用住宅に建て替える方、および土地を購入して賃貸アパート・マンションを新築する方が急増しました。
大半は、今年の春に間に合うように建築することでスケジュールが組まれました。春は、入居者が直ぐに決まるからです。
ところが、現在、多くの物件においてキッチン、バス、トイレの設置が出来ず、建築確認における完成検査を受けられない状況に陥っています。
完成検査を受けられない以上、入居者の募集はできません。建設会社は、物件を完成させないと引渡しができないので建築代金を回収できません。特に3月決算の会社は今から資金繰りに追われているようです。
春が過ぎてコロナ禍が終息し、住宅用設備機器が順調に供給されたとしても、「春の繁忙期」は終了していることから長期間空室になる部屋が多くなりそうです。
飲食業から撤退し、収益用不動産、特に新築物件の運営を始めようとした方は、正に「泣きっ面に蜂」と言える状況に陥っています。
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