ウクライナ情勢により、建築資材・部材の供給は一層不安定に
各種報道によりご承知のことと思いますが、ウクライナに対し、ロシア軍が侵攻を開始したとの報道がなされています。
今後は西側諸国がロシアに対し、経済制裁を加えることになります。さらに船舶の安全航行が保証されなくなるので、原油価格が大幅に上昇します。
原油価格が大幅に値上がりすると、建築資材および部材も大幅に値上がりします。さらに鉄材および半導体が戦争で消費されることから半導体等も値上がりし、供給不足が生じます。ウクライナの紛争は、遠く離れている日本でも大きな影響が出ると思われます。
新築の建物では建設自体は終わったものの、バス・トイレなどの水回り設備の納品が遅れていることにより建築確認における完成検査を行えない物件が増えています。原因は、コロナ禍が長期化したことにあります。
供給が特に不足しているのは水道配管、蛇口、洗面化粧台、ユニットバス、水洗トイレ用部材です。これらは主に中国や東南アジアから輸入しています。
在庫が全くなくなった部品が多く、しかも納期が未定になっているものが多いようです。販売業者でも入荷の見通しが全く立たない部材が増えているとのことであり、中には納期が6か月以上先になる部材があるようです。
新築の賃貸アパートおよび賃貸マンションでは春先の繁忙期であるにもかかわらず、入居者を募集できない状況である物件が次第に増えています。
今後は、供給の不安定要因としてウクライナの紛争が加わることから、状況が更に酷くなることが容易に想定できます。
新築物件の建設は、待てる余裕がある場合は建築資材・部材の供給が滞りなく行われるようになってから行うのが得策かもしれません。
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