シェアハウスの運営は、一応は賃貸住宅経営の経験者向けです
以前に「かぼちゃの馬車」事件がありました。シェアハウスを多数建築し、収益用不動産の運営を始めたいという投資家、それも賃貸住宅経営の初心者に対し、絶対に採算が合わない高値で売却した事件です。
通常は、購入希望者が融資を受ける際に金融機関が購入希望者の属性および物件価格の妥当性をチェックするのですが、融資の利用者数を増やしたいという理由でスルガ銀行がチェックを甘くし、本来であれば融資が認められない案件であるのに融資をしたことから被害者が増大し、大きな社会問題になりました。
これらのシェアハウスは、全く利益が出ないどころか購入した途端に運営状況は大赤字になります。これらのシェアハウスを購入した方は融資の返済が出来ないことから最終的にはシェアハウスを任意売却等の方法により安く売却することを迫られ、売却後も多額の借金が残るという悲惨な状況に追い込まれました。被害者の中には借金を返済する目途が立たず、自殺された方が何人かいらっしゃいます。
シェアハウスの利点は、高利回りであることです。浴室やキッチンを共同利用にすることから水回りに関する費用(建設費、維持費)を少なくできることから高利回りの物件にすることが可能です。購入する物件を誤らず、運営方法を工夫することにより表面利回り10~20%超で運営することが可能です。
しかし、シェアハウスには特有の難点があります。
・家賃が低めであることから「属性が低い」方が入居することがあり、家賃の滞納が発生しやすい。
・浴室やキッチンを共用してもらうことによる入居者間のトラブルが発生しやすい。
・空室発生時の客付けを不動産会社に依頼したくても、家賃が安い上に通常のレジデンス物件とは異なることを理由として断られやすい。
・家賃の滞納や入居者間のトラブルが頻発することを理由として、不動産会社および管理会社が管理したがらない。
・不動産会社および管理会社が管理しない場合、設備や建物の不具合を修繕する際における見積もり依頼、業者選定、立ち会いはオーナー様において行う必要がある。
・管理および入居者募集をオーナー様が自ら行わなければならない。
・入居者募集はオーナー様が自らホームページを開設して行うことがほとんどなので、インターネットおよびホームページに関する知識が求められる。
・入居時における初期費用が安いためか、短期間の退去が発生しやすい。
これらの理由により、賃貸住宅経営を一度も行ったことがなく、不動産に関する知識を持ち合わせていない方がシェアハウスを購入して運営することは無謀と言えます。「かぼちゃの馬車」事件は、あり得ない程の高値で賃貸物件を初心者に売りつけた事件であり、被害者の多くは賃貸住宅経営の経験がなく、不動産に関する知識に乏しい状況でした。
一般的なレジデンス物件を購入し、賃貸経営の経験をある程度積んでからシェアハウスの運営に挑戦することをお勧めします。
そうはいっても、「どうせ賃貸住宅経営を始めるなら最初から高利回りのシェアハウス運営に挑戦したい。」という方がいらっしゃると思います。そのためには上述した「難点」をある程度克服する必要があります。
「難点」を克服するためにはどのような物件を購入し、テーマをどのように設定すれば良いかについて、次回の投稿に書く予定です。
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