賃貸マンション等の売買、設計等は収益用不動産専門の不動産会社へ

※お断り
 本日の投稿は「お客様」からの相談内容ではありません。宅地建物取引業法が定める守秘義務には抵触しないと思われます。しかし、無用なトラブルを避けるため「事案の詳細を教えて欲しい」「会社名を知りたい」等の問い合わせ、および本事案に対する取材希望には一切対応しません。

 少し前の話ですが、誰でもその社名を知っていると思われる大手不動産会社の営業担当が私の会社を訪問し、以下の相談を受けました。

・お客様が所有している土地に賃貸マンションを新築し、賃貸事業を始めたいとの話があった。
・想定される建物の床面積、部屋数、付近の家賃相場から想定賃料収入を算出し、お客様に示した。
・お客様から「これでは賃料収入が少なすぎる。何とか賃料を増やす方法はないか。」と言われた。
・「1階を部屋にするのではなく店舗にすれば家賃を高く貰えると思います。」とお客様に提案した。
・店舗にした場合の賃料を知りたい。一番知りたいのは居住用のお部屋にした場合の2~3倍の賃料を貰えるかどうか。店舗にした場合の想定賃料を教えて欲しい。

 現場は最寄り駅から徒歩18分の都区内にある住宅街です。片側1車線の道路から脇道に入った一方通行道路に面しています。近くにバス停および公園がありますが、人通りは少ないです。建物の前面は一方通行道路であり、車やバイク等を駐車する余地はありません。

 人通りが少ない住宅街にある店舗の賃料相場は住宅と同程度、またはそれよりも安くなります。商店街の中に位置する店舗でなければ、 居住用のお部屋にした場合における賃料の2~3倍もの賃料を貰えることはありません。

 都区内において、最寄り駅から離れた住宅街の賃貸マンション1階に店舗を設けることを提案するとは、呆れます。

 最寄り駅から徒歩18分の住宅街にある店舗・事務所では従業員の募集に苦労します。店舗・事務所の運営者は魅力を全く感じません。人通りが少ないので宅配デリバリー用の店舗か倉庫として貸すしかありませんが、賃料を大幅に下げないと入居希望者はなかなか現れないと思われます。

 駅から離れた住宅街である以上、賃料相場は居宅と同程度かそれよりも低くなる旨を伝えたところ、件の営業担当の顔色が真っ青になり「お客様に『1階を店舗にすることにより家賃収入が大きく増えます』と告げてしまった。とても喜んでいた。どうしよう。どうしよう。」とうろたえていました。

 このような未熟な営業担当の発言を「プロの見解」として受け取った方が指南通りに動いたら、多額の損失を出すことになります。

 不動産業界の従事経験を尋ねたところ、異業種から中途採用されたとのことで入社後1か月程度しか経っていないとのことでした。宅地建物取引士の資格は所持していないとのことであり、これでは収益用不動産に関する知識はほとんどないも同然です。

 給与は歩合制であり、全ての同僚がライバルであり、同じ会社の中で相談出来る人は誰もいないとのことでした。

  誰でも名前を知っていると思われる大手不動産会社でも、異業種から採用した新人を、ろくな教育もせずに営業の現場に送り出していることがよくわかる事案です。この不動産会社は、お客様のことを全く考えていないに等しいと言えます。

「大手の不動産会社である」という理由のみで依頼すると危険

 依頼しようと考えている不動産会社が大手でも収益用不動産の設計、売買については専門外であることがよくあります。

 このような会社に依頼した場合、知識が乏しい者が担当者になることがあります。さらに困ったことに給与を歩合制にして営業成績を競わせていることから、これが行き過ぎて誤った提案をされることがあります。

 今回取り上げた事案は正にこれに該当します。うっかり指南通りに動くと多額の損失を被ります。

収益用不動産の新築、売買は専門の不動産会社へ

 収益用不動産(賃貸アパート、賃貸マンション)のプラン構築、売買等は収益用不動産の売買を専門とする不動産会社を利用することを強くお勧めします。

 筆者の会社は収益用不動産売買を主な生業とする専門の不動産会社です。よろしければご利用ください。相談のみであれば、無料にで対応させていただきます(原則30分以内)。

 相談は、こちらの相談フォームをご利用ください。電話、FAXについてはこちら(有限会社大森不動産)(別ドメインです)を参照願います。