4月になっても空室が埋まらなかった賃貸物件のオーナー様へ
入居先となる賃貸物件を探す方が最も多くなるのは毎年1~3月です。この時期を過ぎると賃貸物件を探す方は激減します。その理由は言うまでもなく、進学、入社、転勤等に伴う需要が一巡するからです。
今年の1~3月は、私の会社がある東京都目黒区では、賃貸物件を探すお客様の数は例年よりも少なかったようです。私の会社を訪れたお客様も例年と比較すると激減しています。
新型コロナウイルス感染症の流行がなかなか終息しないことから大学の講義もリモートで行われており、これでは下宿先を探す大学生は少なくなります。また、社会人の方も賃金カットを受けている方が多く、これでは新たな入居先に引っ越す費用を捻出できないとして引越を諦めた方が多かったのではないかと思います。
4月になりました。所有されている収益用不動産(賃貸アパート、賃貸マンションに)にも空室があるオーナー様におかれては入居者が決まらなかったことで落胆されている方がいらっしゃると思います。空室を埋めなければ家賃が入らないという現実があることから、焦るオーナー様が多いのではないかと推察します。しかし、焦りは禁物です。
賃貸物件を借りて犯罪の拠点にしたい輩、どこの不動産会社にも入居を断られた方が訪れる時期
繁忙期が終わったことにより焦るオーナー様を見透かしたように、犯罪の拠点にすることを考える輩等がオーナー様のところに現れます。オーナー様から入居者を早く決めるように猛烈に急かされている不動産会社にも現れます。
つい先日、賃貸物件を借りたいという若者が私の会社に訪れましたが質問に対する返答が不自然であり、その他の言動から併せて考えると賃貸物件を借りた後に第三者と入れ替わることが確実であると判断したため、物件の紹介を丁重にお断りさせていただきました。
どのような会話および話術で見破ったかは企業秘密なので申し上げられません。賃貸借契約を締結した後に第三者との入れ替わりを目論む「サクラ」でした。
「サクラ」を借主とした賃貸借契約が締結されると、その後に得体の知れない集団が住み着きます。振り込め詐欺等の犯罪拠点として利用する、法律が栽培を禁止している大麻草などの栽培拠点にする、無許可で産業廃棄物の保管倉庫にする、その他の犯罪に利用されることになります。
オーナー様におかれても注意が必要です。「賃貸物件情報をWEBサイトで見ました。」と言ってオーナー様のところを訪問して物件の内見を済ませた後に「不動産会社を通さないで契約できませんか。そのようにすれば仲介手数料をお互いに節約できます。」などと言う方がいます。やましいことを考える輩は不動産会社の利用を拒む傾向があります。
空室が埋まらないことを悩むオーナー様の中には、このような申し出を受けた場合に「家賃が欲しい」という思いが先行することから要望を受け入れ、不動産会社に連絡することなく独自に賃貸借契約を締結してしまう方がいらっしゃいます。
賃貸借契約を成立させると後で重大なトラブルが発生しても、ほとんどの場合において直ちに退去させることは困難です。最終的には明け渡し請求を求める裁判を提起して強制執行を行なわなければならなくなる等、深刻な状況に陥ることがあります。最悪の場合は1年以上も家賃を支払ってもらえず、裁判費用もオーナー様が負担しなければならなくなくなります。
不動産会社を通さないで賃貸借契約を締結すると、賃貸保証会社(家賃保証会社)による審査を行えないことから保証契約を締結できません。やましいことを考える輩は、賃貸保証会社(家賃保証会社)による入居審査を嫌います。本名、勤務先、年収などを偽っているからです。このため、不動産会社を利用しないで賃貸借契約を締結しようとします。
また、この時期にはどの不動産会社にも入居を断られた方が訪れます。その多くはクレジットカード利用分の返済、または家賃を滞納したことから賃貸保証会社(家賃保証会社)による入居審査を通過できなかった方です。
このような方も不動産会社を通さない契約を希望することが多いですが、不動産会社を通さない契約締結はお勧めしません。入居を希望する方が現れた場合は不動産会社を通じて賃貸保証会社(家賃保証会社)による入居審査を行った上で契約することを強くお勧めします。
収益用不動産の経営は慈善事業ではありません。物件を所有しているだけでも固定資産税や都市計画税がかかります。 賃貸物件のオーナー様、不動産会社としては家賃を滞納する恐れがある方を入居させることはできません。具体的には賃貸保証会社(家賃保証会社) が入居不適格と判断して保証契約の締結を拒否する方を入居させることはできないのです。
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