前所有者の不要品片付けを条件として住宅を購入した方に起きた事件
不動産を購入する際には買主様による値引き交渉が伴います。何らかの理由により急いで売却することが必要な場合には不動産会社が買い取ることがあり、その際に室内の物品に関する所有権を放棄してもらい、不動産会社が片付けることを条件として値引き交渉をすることがあります。
今回紹介するのは不動産会社ではなく一般の個人の方が行ったところ、住宅内のお宝がなくなったという事件です。神戸新聞(Yahoo!)の記事から引用します。
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※2022年4月23日追記
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盗まれたのは日本刀?入居予定民家から鞘入り刃物なくなる 前の住民が残した不要品
4/6(水) 11:16配信神戸新聞NEXT
5日午後8時ごろ、兵庫県たつの市御津町釜屋の木造住宅を所有する男性会社員(29)から「入居予定の家から物が盗まれた」と110番があった。
県警たつの署によると、盗まれたのは日本刀とみられる刃物1本。住宅は2階建てで、転居先を探していた男性が今年2月、不動産会社を通じて購入した。4日夜の時点で、前の住民が残した不要品の中に、本などに混じって、鞘に収まった状態で刃物が置かれていたという。銃砲刀剣類の所持を認める登録証もあったというが、ともに盗まれていた。
男性は、不要品を整理する代わりに、購入費用が安くなる契約を交わしており、4日夜に住宅で不要品の整理を行っていた。5日に再び訪れたところ、刃物などが無くなっていることに気付いた。室内が荒らされたり、玄関の鍵がこじ開けられたりした形跡はなかった。同署は窃盗事件として捜査している。
神戸新聞NEXT(Yahoo!)
このような事件の場合、問題の物品が実際に室内にあったかどうかが問題になります。客観的な証明が難しいことから警察において「事件」と認められない場合があります。無くなったのが宝石類、証券類であった場合は「紛失」扱いとされ、「事件性なし」とされたかもしれません。
記事によると窃盗事件として捜査しているとのことですが、これは目的物が日本刀であるからだと思われます。
ご承知の通り日本刀は人の生命および身体に危険を及ぼす恐れがあり、所持するためには銃砲刀剣類所持等取締法が定める手続きに則り、許可を申請しなければなりません。盗難、紛失のいずれの場合でも警察としては日本刀の行方を突き止める必要があり、そのために「窃盗事件」として捜査を開始したものと思われます。
住宅の引渡しを受けたら直ちに錠前の交換を行うことをお勧めします
不動産会社がこのような不動産物件を購入する場合は、物件の引渡しを受けたら直ちに鍵屋を呼び、錠前を交換します。
建物の内部がいわゆる「ゴミ屋敷」である場合でも、室内に誰かが侵入して寝泊まりする恐れがあります。過去には侵入者が寒い日に暖を取ろうとしたことから過失による火災が発生した事件があります。
最近、郊外の戸建住宅を購入してリフォームして賃貸用戸建住宅として貸し出す方が急増しています。様々な理由により家財が置かれた状態の戸建住宅が売りに出されることがあり、家財の所有権を放棄するので家財を含め、丸ごと現状で購入して欲しいと言われることが増えています。
今回の事件における被害者も、売主がこのような条件で売り出した物件を購入したものと思われます。万が一の場合を想定し、住宅の引渡しを受ける際には錠前の交換を行うことを強くお勧めします。
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