積水ハウスの地面師詐欺、株主代表訴訟による請求を棄却する判決
読売新聞オンラインのWEB記事から引用します。
※掲載社の都合によりリンク先の元記事が削除され、リンクが切れることがあります。あらかじめ御了承願います。
※2023年11月27日追記:名誉権の問題があるため、引用記事中の氏名を修正しました。
積水ハウスの地面師詐欺、株主代表訴訟の請求を棄却…大阪地裁
2022/05/20 15:13積水ハウス(大阪市)が東京都内の土地取引で約55億円をだまし取られた「地面師詐欺事件」を巡り、株主が当時の社長A氏と当時の副社長に対し、損害額と同額を会社側に支払うよう求めた株主代表訴訟の判決で、大阪地裁は20日、株主の請求を棄却した。株主側は控訴する方針。
訴状などによると、同社は2017年、東京都品川区西五反田の旅館跡地を分譲マンション用地として取得しようとして、所有者を装った地面師グループと売買契約を結び、約55億円を詐取された。
株主は18年、契約を承認したA氏らの判断に誤りがあったとして、提訴していた。
読売新聞オンライン
2017年に発生したこの事件は「東京都品川区、五反田駅近くにある旅館(廃業)の土地を売却したい」と持ちかけられた積水ハウスが55億円もの大金を騙し取られた事件です。この物件は大手の不動産会社であればどこでも欲しがる条件を備えた、いわくつきの物件でした。
「他社に先に購入されたらたまらない」との焦りが先行しているところに、会社の幹部が取引の成立に前のめりになったことから被害に遭ったと言えるようです。
「地面師に騙され、55億円もの大金を失った責任は当時の社長および副社長にある」として株主代表訴訟が提起され、大阪地裁は請求を棄却しました。
代金を支払った相手が地面師であることについて容易に判断できるにもかかわらず、当時の社長や副社長が契約締結を命じた事情が認められるのであれば、今回の判決内容とは逆の判決が下されたと思われます。
この事件に関わった地面師グループはかなり大がかりな組織であり、既に10人が起訴されました。主犯格には既に懲役11年の実刑判決が下されています。
地面師グループは精巧に偽造されたパスポートを用意して相手を信用させるなどの巧みな手段を用い、地主の関係者であるとする人物が複数登場するなどをされたことから相当な注意をしていても地面師であることを見抜けなかったことを裁判所が認めたと言えそうです。
今後は高等裁判所に控訴されるようですが、地面師であることを容易に見抜けたかどうかが判決内容を決することになると思われます。
地面師の手口は巧妙化しています。個人よりも不動産会社を騙そうとする輩が増えています。私の会社にも不動産売買における手付金を騙し取ろうとした地面師が現れたことがあります。
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