ネット非公開の賃貸物件について

 このブログでは賃貸物件に関する話題をあまり取り上げないのですが、オーナー様において知っておいていただくことが有益と思われる内容がありますので取り上げます。

 「インターネットに掲載されていない非公開の賃貸物件を探している」という方が時々来店されます。「良い物件はインターネットに掲載されていないと聞いた。紹介して欲しい。」と言われます。

 しかし、少なくても私の会社がある東京都目黒区では「良い物件はインターネットに公開されない」ということはなく、悪質な「デマ」であると断言できます。

 「デマ」であることを伝えると、「ネット非公開の物件を集められないようでは大した不動産屋じゃないね。」などの悪態をついてお帰りになる方がいらっしゃいます。しかし、「目黒区」は賃貸物件の非公開化になじまない地域であり、特殊なエリアであると言えます。

東京都目黒区では、ほぼ全ての賃貸物件がネット掲載される

 その理由は、異様な空室率にあります。LIFUL HOME’SのWEBサイトには東京都の各市区町村における空室率が掲載されていますが、東京都目黒区の空室率は28.2%であり、都内でワースト2です。

 目黒区内に賃貸物件を所有し、空室が生じたオーナー様のほとんどは、次の入居者がなかなか決まらないので困っています。入居者募集の際に「早くネット掲載して欲しい。」と要望されます。掲載が遅れると「アットホームにまだ掲載されていないようですが、早く掲載してください。」とか「レインズに掲載しましたか。」などと催促されます。

 早くネットに掲載しないと「ネットに公開してくれないなら他の不動産会社に依頼するからもういいです。」などと言われ、媒介契約を解約されてしまいます。このため、仲介する不動産会社が両手取引を狙い「非公開物件」にする行為はまず考えられません。 

 厳密にはネットに掲載されていない「非公開物件」が存在します。主に以下の3種類になります。

1.オーナー様から次の入居者の募集を依頼されたものの、物件紹介図面の作成が間に合わない物件
 (2日~1週間を要するのが通常)
2.心理的瑕疵や法的瑕疵がある物件

3.家賃が高額すぎて一般向けではない物件(著名芸能人、プロスポーツ選手向け)

 目黒区に限らず、空室率が高いエリアにある賃貸物件において空室が生じた際は、迷わずレインズおよびポータルサイトへの掲載を不動産会社に依頼することをお勧めします。

 掲載された後も、記載内容および掲載写真の画質・枚数を細かく確認し、問題がある場合は不動産会社に対応してもらうことをお勧めします。