宅地建物取引士資格試験の半年前になりました

 令和5年の宅地建物取引士資格試験(以下、宅建試験)は、例年通りであれば10月第3週の日曜日(15日)に実施される予定です。不動産適正取引推進機構のWEBサイトによると、詳細は6月2日に官報公告を行い確定するとのことです。

 現在は試験のちょうど半年前であり、今年受験される方は今から少しずつ準備を始めることをお勧めします。

 既に今年の試験に向けた解説本、過去問を集めた問題集、想定問題集等が多数販売されています。宅建試験に関する書籍は出版社の大きな収入源の一つ(というかドル箱)になっているのではないかと思います。

 宅建試験の出題範囲はとても広いです。試験範囲に含まれる法令は民法、宅地建物取引業法、建築基準法、不動産登記法、都市計画法、宅地造成等規制法、農地法、土地区画整理法、国土利用計画法等であり、かなり細かい内容を問われます。

 民法を除き、条文の全文を丸暗記する必要はないと思いますが、法令で何が許され何が禁止されるかについて整理し、十分に理解しておく必要があります。

 「毎年受験しているが合格できない」という方にどのような勉強方法を行っているかをお尋ねしたことがあります。参考書を読み、過去10年分の過去問を繰り返し解くことしか行っていない方が多いです。

 解説本を熟読し、過去問を解くことは重要です。しかし、それだけでは足りません。解説本を読み終えたら複数の想定問題集を片っ端から解き、理解することが必須であると思います。

座学か通信講座か

 座学と通信講座のどちらが良いかについて、質問を受けることがあります。不動産会社における営業担当者は仕事の関係で通信講座を選択しがちです。

 筆者はどちらも一長一短があると考えます。座学の場合は、講義中に雑念が入る余地がありませんので、集中して勉強できます。しかし、講習会場への往復に時間を要します。これに対し、通信講座では講義を受けている最中に電話がかかり対応しなければならなくなる等、集中できない状況が生じがちです。

模擬試験は有効か

 これは個人の性格によります。ある程度自信がある方が力試しに模擬試験を受験することは有効であると思います。しかし、本番直前の模擬試験で思うような点数をとれなかった場合に落ち込み、本試験直前の勉強に支障をきたすのでは本末転倒です。

 資格試験予備校では模擬試験を繰り返し受験することを勧めますが、逆効果になることがあるので注意が必要です。